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「原材料高?価格転嫁は認めません」

泣き寝入り中堅企業に聞く、大企業の悪しき作法

2014年4月7日(月)

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 3月初旬、大阪の化学品メーカー営業担当者である青木正彰さん(仮名)は、取引先の一部上場企業を訪れた。目的は、自社商品の納入価格の改定だ。ナフサなどの原材料価格が昨年に比べて急激に上昇しており、さすがに価格転嫁しなければ事業として成り立たないと判断。価格転嫁による値上げの相談で足を運んだ。

 輸入ナフサの価格は2012年半ばまでは1キロリットルあたりの換算値で4万円台後半だった。それが、急激な円安の進行や景気回復による需要の高騰などで、直近は7万円前後にまで跳ね上がっている。

 価格が数%程度の上下ならば企業努力でカバーできる部分はある。だが、1年強で5割以上も価格が上がれば、一企業で対処できるレベルではない。長年の付き合いもあり、下請けではあっても苦しい環境下にお互いに支え合ってきた仲間。理解してもらえるはずだとふんで青木さんは取引先の担当者に価格転嫁を告げた。

 「私のような担当者レベルでは判断できません。部長の決済が必要になります。私が部長に説明できる資料を作成してください」

 先方の担当者は抑揚のない言葉で返してきた。青木さんはナフサ価格の推移などの資料を持参していたため、それを渡そうとしたところ「これでは不十分。当社のフォーマットに従った申請書類を作成してもらいます」と資料を突き返された。

 かつては、価格の交渉も担当者レベルで決められていた。50円の値上げを要請したら「全額は無理だから、20円だけで勘弁してよ」というようなやり取りで価格転嫁に応じてもらえたという。

 企業における数値管理が厳しくなっているご時世、単純なやり取りで価格転嫁できるとは思っていなかった。だが、先方の担当者から渡された申請書を見て青木さんは目を丸くした。

 申請書には、収める加工品の原材料をすべて書き、それがどれくらいの割合で使用されているのかを事細かく記さなければならない仕様だった。さらに、輸送コストや事務経費はもちろん、どれくらいの利益を上乗せしているのかまで書かなければならない。

 原材料とその割合を記すのは、言うなれば有名レストランが人気のレシピを公開するようなもの。青木さんの会社が開発した製品の技術や知見をすべて取引先に伝えなければ値上げを認めないというのだ。

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「「原材料高?価格転嫁は認めません」」の著者

白壁 達久

白壁 達久(しらかべ・たつひさ)

日経ビジネス記者

2002年関西大学経済学部卒業後、日経BP社に入社。日経ビジネス、日経ビジネスアソシエを経て、2015年から香港支局長としてアジア全体をカバーする。2016年8月から日経ビジネス記者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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牛島 信 弁護士