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法人税減税、財源確保は自然増収で十分可能

2014年4月11日(金)

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 結論としては、一刻も早く国際水準並みへの法人税率の引き下げは必要だが、財政規律と財源確保に関しては最大限の配慮が必要と考える。

 まず、国際水準並みに法人税率を引き下げると、相当株価への押し上げ効果が大きいことが期待される。株価をP、配当成長率をg、配当をD、利回りをrとすると、配当割引モデル(定率成長)によれば、理論株価はP=D(1+g)/(r-g)となる。これを前提に、仮に法人税率を10%引き下げると、どれだけ理論株価が上昇するかを試算できる。

 法人税率が現行の約35%の場合と国際水準並みの25%に下げた場合のそれぞれの理論株価を計算すると、前者はP(現行)=D(1+g)(1-0.35)/(r-g)、後者はP(国際水準)=D(1+g)(1-0.25)/(r-g)となる。そして、P(国際水準)/P(現行)=(1-0.25)/(1-0.35)=0.75/0.65=1.154となる。

 従って、理論的に法人税率10%引き下げは株価を15.4%押し上げることになる。仮に現行の理論株価を日経平均で1万5000円とすると、10%引き下げ後の理論株価は2300円以上高い1万7300円以上となる。そして、2013年末の東証一部株式時価総額458兆円をベースにすると、時価総額が70兆円以上も増加すると試算される。

 確かに、理屈通りに株価が反応するとは限らない。しかし、実際に1987年度以降の企業の当期純利益と日経平均株価の散布図を描いても、法人企業の当期純利益が1兆円増加すると日経平均株価が300円程度上昇するとの関係が導き出せる。従って、仮に財務省の試算の通り法人税率10%引き下げで4.7兆円の減収になるとすれば、直接的に企業の当期純利益を4.7兆円押し上げることになり、やはり株価を1500円近く押し上げることになる。

立地競争力を高める法人税率引き下げ

 さらに法人税率の引き下げは株価や配当を押し上げるだけではない。注目すべき点は、法人税率の引き下げにより国内企業の業績改善が期待され、それによって国内設備投資や雇用者報酬の増加を通じて個人消費を刺激することである。さらに、日本の立地競争力が高まることからすれば、日本が諸外国から大きく後れを取っている対内直接投資の増加を通じて雇用所得環境の改善が期待できる。これは重要なポイントである。

法人税率引下げで期待される効果

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「法人税減税、財源確保は自然増収で十分可能」の著者

永濱 利廣

永濱 利廣(ながはま・としひろ)

第一生命経済研究所主席エコノミスト

日本経済研究センター、東京大学大学院経済研究科修士課程等を経て、2008年4月から第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト。経済統計、マクロ経済の実証分析を専門とし、内外経済の長期予測を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ジェニー・ダロック 米ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院学長