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89年の「便乗値上げ御三家」はその後、どうなった?

2014年4月11日(金)

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 1989年4月の消費税導入時および97年4月の3%から5%への消費税率引き上げ時と、今回の5%から8%への消費税率引き上げを比べた場合、政府の姿勢には大きな違いが1つある。

 89年と97年のケースでは、いわゆる「便乗値上げ」に関する調査や国民からの苦情吸い上げ、関連業界への是正指導に、政府は注力していた。だが、今回はそうした動きはほとんど伝えられず、大企業と中小・零細企業の間で行われる取引などで増税分の適正な転嫁が行われるよう監視・指導することに重点が置かれている。

今回は1199件もの改善指導

 経済産業省と公正取引委員会は4月7日、消費増税分の価格転嫁を拒否する「買いたたき」などの違法行為があったとして昨年10月から今年3月までの間に計1199件の改善指導を行ったと発表した。

 そうした政府の姿勢の根底には、企業がこれまで我慢していたコスト増加分の販売価格への転嫁が消費税率の引き上げを契機に広がることはデフレ脱却を目指す上でポジティブな動きだ、という判断が大なり小なりあるのではないかと推測される。

 ここで、時計の針を巻き戻して、89年4月の消費税3%導入時の状況を振り返ってみよう。当時、値上げ幅が消費税率の3%よりもかなり大きいとして政府の「物価ダイヤル」などに苦情が多く集まり、「便乗値上げ御三家」と呼ばれて世間で話題になったのは、「日本そば店」「クリーニング店」「理容店」の3つだった。

 東京都は89年4月27日に、消費生活関連商品の価格動向調査を発表。日本そば店では、かけうどんを値上げした店が34.3%あり、平均価格は379円で上昇率は10.5%。理美容店では理髪料(大人)を値上げした店が29.7%あり、平均価格は3,099円で上昇率7.7%。クリーニング店ではワイシャツの料金を値上げした店が40.5%あり、平均213円で上昇率10.2%だった。

 そうした「便乗値上げ」が目立った品目の動きは、全国消費者物価指数でも確認することができる。「うどん」「洗濯代(ワイシャツ)」「理髪料」の3品目について、88年以降の指数の動きと前年同月比を示してみよう<図1、図2>。

■図1:全国消費者物価指数 「うどん」「洗濯代(ワイシャツ)」「理髪料」
(出所)総務省
■図2:同上 前年同月比
(出所)総務省

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「89年の「便乗値上げ御三家」はその後、どうなった?」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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