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空洞化進む「繊維」で、40年ぶりに国内投資の理由

旭化成の「ベンベルグ」、パキスタンやインドの民族衣装で復活

2014年4月11日(金)

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 旭化成は延岡工場(宮崎県延岡市)で、化学繊維「ベンベルグ」の新設備を稼働させる。国内での繊維関連の新規投資は40年ぶり。東レやユニチカなどが人件費の安いアジアに生産シフトする中、なぜ日本での増産を決めたのか。

 「正直なところ、3~4年ほど前から生産設備はフル稼働でパンク状態が続いていたが、なかなか増産を決断できなかった。国内で繊維関連の投資を決めるのは勇気がいることだからね」。旭化成の繊維事業会社、旭化成せんい(大阪市)の高梨利雄社長はこのように語る。

 繊維の国内投資とは、今年4月に延岡工場(宮崎県延岡市)で導入した化学繊維「ベンベルグ」の糸生産設備のこと。6月の本格稼働で同工場の生産能力は、従来比1割増の年1万6500トンに引き上げられる。ベンベルグの新規投資は1974年以来、実に40年ぶり。新設備導入に合わせて新しい建屋を建設したため、設備投資は30数億円に上った。

化学繊維「ベンベルグ」を使った衣料品。旭化成は40年ぶりとなるベンベルグの国内投資を決めた。

海外生産シフトが進む繊維

 繊維は国内生産の“空洞化”を象徴する産業だ。戦後、原糸を生産する大手繊維メーカーが下請けの製織、染色、布加工メーカーを系列化し、欧米向けに衣料品の輸出事業を展開。日本を代表する一大産業に発展した。 だが、オイルショックや、プラザ合意に伴う円高を受けて、国際競争力が低下し、次第に衰退した。東レを中心とした大手メーカーは、国内生産を縮小する一方で、アジアに生産拠点を移し、コスト競争力を高めた。現在では、国内生産は炭素繊維や吸汗速乾向けに微細加工を施した糸など高付加価値品にほぼ限定されている。

 高梨社長がためらったのは、繊維営業の最前線に立ち、そのような市場環境の変化を肌で感じてきたからだ。特に2000年代に入ってから中国で化学繊維の主力である合成繊維の生産設備で新増設が過熱。今や、化学繊維の世界生産に占めるシェアは、中国が7割を超えているのに対し、日本は1~2%にとどまっている。 こうした状況から旭化成も2003年にアクリル繊維の国内生産から撤退し、2009年にポリエステル長繊維の生産を止めている。

 ではなぜベンベルグだけは例外になりえたのか。

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「空洞化進む「繊維」で、40年ぶりに国内投資の理由」の著者

林 英樹

林 英樹(はやし・えいき)

日経ビジネス記者

大阪生まれ。神戸大学法学部卒業後、全国紙の社会部記者として京都・大阪で事件を取材。2009年末に日本経済新聞社に入り、経済部で中央省庁担当、企業報道部でメディア・ネット、素材・化学業界などを担当。14年3月から日経BP社(日経ビジネス編集部)に出向し、製造業全般を取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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