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西武HD、再上場に2つの急ブレーキ

2014年4月16日(水)

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 4月23日に予定している株式再上場をめぐり、西武ホールディングス(HD)が揺れている。株式の売り出し価格を当初、1株2300円と見込んでいたが、足元で海外勢の投資意欲が想定ほど盛り上がっていないことが判明。結局、1600円で決まった。

 東京証券取引所が3月19日に株式再上場を承認して以降、西武HDでは後藤高志社長ら経営陣が2組に分かれて米ニューヨークやシンガポールなどを訪問。運用資金の多い年金基金や財団など数十社に事業概要などをアピールしてきた。

 「生活応援企業」を自負し、傘下の西武鉄道のほかプリンスホテル、沿線などの不動産再開発事業を成長の3本柱に据える。本業の稼ぎを示す償却前営業利益を834億円(2014年3月期見通し)から2年後に920億円まで伸ばす計画だ。

 しかし少子高齢化が進む日本国内で、典型的な内需産業の鉄道・レジャーが成長戦略を描くのは容易ではない。東京株式市場では、3月に相次いで上場したジャパンディスプレイ、日立マクセルはそろって売り出し価格を割り込んだこともあり、西武HDは主幹事証券会社などと協議して価格を低めに設定したとみられる。

 株式売り出し価格の引き下げにより、市場での企業価値を示す時価総額は当初見込まれていた私鉄業界トップの7870億円から5470億円程度にとどまる見通し。業界では東京急行電鉄、小田急電鉄などの後塵を拝する。

 幅広い投資家から資金を集められなければ、成長戦略の実現も遅れかねない。西武HDは東京・紀尾井町の赤坂プリンス跡地に1000億円規模の資金を投じて、36階建てのオフィスとホテル棟、24階建ての住宅棟を柱に、大規模な再開発を進めている。2016年夏の完成を目指し、社運がかかる巨大事業だ。東京・品川では大型ホテル4棟(計約5000室)を構える。国際化が進む羽田空港の玄関口に当たり、訪日観光客の囲い込みを目指す。

 今回の再上場で財務面の信用力を高めれば、こうした巨大プロジェクトでも金融機関から借り入れがしやすくなる。

 再上場にあたり筆頭株主の米ファンド、サーベラスとの関係も流動的だ。サーベラスは再上場時に保有する35%超の西武HD株を一部売却して利益を確定させる算段だったが、当面は保有を継続する方針だ。当初2300円だった売り出し価格が1600円にまで下がり「利幅が薄くなった」(市場関係者)ためとみられる。

 目論見書によると、サーベラスは株を買い増す意向はなく、経営陣の事業計画を支持している。サーベラスは10月中旬までは主幹事証券の同意なしに株式の売却などができない契約も結んでいる。西武HDとサーベラスが二人三脚で収益基盤を強化できるか、再び焦点に浮上してくる。

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「西武HD、再上場に2つの急ブレーキ」の著者

清水 崇史

清水 崇史(しみず・たかし)

日経ビジネス記者

98年早稲田大学大学院修了、通信社を経て日本経済新聞社に入社。証券部で機械・プラント、海運・空運などを中心に取材。2013年4月から日経BP社に出向。総合商社、金融マーケットを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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