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大人気の日本酒「獺祭」を好きなだけ飲めるようにする方法

蔵元探訪で聞いた、深刻な課題

2014年4月18日(金)

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 入荷日に店頭から消える、超人気の純米大吟醸酒「獺祭」。欧米など約20カ国に輸出され海外でも大好評だ。品薄解消へ、獺祭を醸造する旭酒造は増産を計画するが、致命的な課題がある。獺祭を好きなだけ飲めるようにする方法とは?

 「この前も、ドイツから取材に来た外国人記者を乗せたよ」。道すがら、タクシーの運転手は地元自慢をするように饒舌に語った。

 目的地である山口県岩国市の獺越(おそごえ)は、山陽新幹線の新岩国駅からクルマで約30分程度。途中からはひたすら山道を走る。

 周辺は森林ばかりで、たまに農家らしき家がちらほら見えるくらい。本当にこんなところに会社はあるのか。そう思い始めたころ、登りだった坂道が下りになり、山間の集落が現れた。真っ先に目に飛び込んでくるのが、山奥に似つかわしくない、地上4階建ての酒蔵だ。

 ふと自分の私用スマートフォンを見ると、驚くべきことに電波が入っていない。別の携帯会社の業務用スマホは、かろうじてアンテナが1本立っている状態。そんな場所にあるのが、日本酒の分類で最高ランクの純米大吟醸酒「獺祭」を醸造する旭酒造の本社と生産拠点である。

岩国市の獺越にある旭酒造の酒蔵、写真:菅 敏一、以下同

 獺祭は、コメを最大77%も磨いた芯の部分だけを使用する。原料のコメは、酒造米の最高峰「山田錦」のみ。これを極限まで磨き、できるだけ雑味を取り除く。フルーティーな香りとすっきりした飲み口が受け、日本酒好きだけでなくワイン通や女性にもファンを増やしてきた。

最高級品は1本3万円、でも国内外で売れる

 あまりの人気に東京の一部の店舗では、入荷日にすべて売れてしまう状態が続く。獺祭の最高級品「磨きその先へ」は1本3万円もする。が、獺祭は入荷するたびに、次々と売れていく。

 獺祭の販売が好調なのは日本だけではない。その味は海外のワイン通もうならせ、富裕層を中心に人気が高まっている。

旭酒造の純米大吟醸酒「獺祭」

 獺祭は2000年代初頭から海外で販売された。欧米や中東、アジア地域に販路を拡大し、2011年には、ユダヤ教徒が口にできる清浄食品基準「コーシャー・ライセンス」も取得。2013年からはタイ、インドネシア、エジプトの3カ国で新たに販売を開始している。

 現在は合計約20カ国で獺祭を売る体制を整備。2014年中には、フランスのパリ中心部に海外初となる直営店も開く計画だ。

 旭酒造の本社近くに作られた獺祭の直売店には、ポルシェやBMWなど高級車に乗ってわざわざ買いに来る人もいた。入手困難な商品のためか、富裕層と思われる人たちが直営店まで買い付けにくるとは、獺祭の人気の高さを改めて感じる。

 まず製造工程を見せてくれるというので、長靴をはき帽子をかぶり、酒蔵の中へ入った。

コメント10件コメント/レビュー

記事を読む限りではなぜこの酒蔵の大吟醸酒がこれほど好まれるのか、飲んだこともないのでよく判りませんでした。おそらく真面目に大吟醸を造っているからと推察します。原料米の手配が大問題という課題を仮にクリアできたと仮定して、増産計画は誠に結構なことですがこれをやって成功した酒蔵はほとんどないのではないのでしょうか? 間違いなく手抜きや品質低下を招き、「フツーの酒蔵のフツーの酒」に成り下がってしまいます。経営者の驕りか杜氏の怠慢か消費者の気紛れか何とも分りませんが、そうした轍を踏まれません様に。(2014/04/18)

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「大人気の日本酒「獺祭」を好きなだけ飲めるようにする方法」の著者

宗像 誠之

宗像 誠之(むなかた・せいじ)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日本経済新聞社産業部、日経コンピュータを経て、2013年1月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事を読む限りではなぜこの酒蔵の大吟醸酒がこれほど好まれるのか、飲んだこともないのでよく判りませんでした。おそらく真面目に大吟醸を造っているからと推察します。原料米の手配が大問題という課題を仮にクリアできたと仮定して、増産計画は誠に結構なことですがこれをやって成功した酒蔵はほとんどないのではないのでしょうか? 間違いなく手抜きや品質低下を招き、「フツーの酒蔵のフツーの酒」に成り下がってしまいます。経営者の驕りか杜氏の怠慢か消費者の気紛れか何とも分りませんが、そうした轍を踏まれません様に。(2014/04/18)

 「獺祭」ばかりが美味い酒でもなく、「山田錦」ばかりがいい酒造好適米でもない。「雄町米」も「美山錦」も「吟ぎんか」も「五百万石」も、そのほか各地域にいろいろないいものがあるのが地酒のいいところ。「酒造米の最高峰」とははなはだ疑問だ。ちゃんと他を呑んでいるのだろうか? 昔からマスコミは「越乃寒梅」ばかり新潟の名酒扱いしたり、「久保田」(朝日酒造)の増産を誉めてみたり、ビジネスとして成功したような取り上げ方をするが、そもそも味覚は十人十色のもの。この記事を書いた記者や、取り上げている編集者はちゃんと各地の日本酒を飲んでいるのだろうか?味わって楽しんでいるのだろうか? 表面では地方企業の成功を誉めるような書き方をしながら、実は拡大路線のところばかり礼賛するのは、地域文化、食文化の多様性を否定する行為だ。旭酒造さんの成功は結構なことだが、取り上げ方はいかがなものか?(2014/04/18)

日本酒の国際的な評価が高まっていることに嬉しさを感じていましたが、酒米が不足しているという状況は厳しいですね。農家も農水省、農協の指導に頼らない経営を行わなければならないと感じました。日本酒の国内需要は下がり続けているそうですがクールジャパンの一つとして国際舞台での活躍を祈ります。(2014/04/18)

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長