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ECBも検討している量的緩和策

2014年4月21日(月)

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 4月3日に欧州中央銀行(ECB)は政策理事会を開催し、政策金利の据え置きを決定した。主要政策金利であるリファイナンス金利は0.25%、下限金利の中銀預金金利は0.00%、上限金利の限界貸出金利は0.75%にそれぞれ据え置かれた。

 理事会後の記者会見でドラギ総裁は、ECBは低インフレが長期間続くと見込んでいるとし、あまりに長期化するようなら行動するとの考えを示した上で、「理事会は、低インフレが過度に長期化するリスクに効果的に対処するため、責務の範囲内で、非伝統的手段も活用する決意で一致している」と発言した。さらにドラギ総裁は質疑応答において、非伝統的手段としてQEを視野に入れていることもコメントした。

 非伝統的金融政策とは政策金利がゼロ近辺となり、金融政策としての金利操作に限界が生じた際に中央銀行が、追加の金融緩和策として行う政策のことである。その代表的な政策が量的緩和と呼ばれているものである。日本銀行が2001年から2006年に行った量的緩和政策に代表されるもので、米国ではQuantitative easing、QEと呼ばれている政策である。中央銀行が市場から国債を買い入れることにより市場に資金を供給し、資金の量を増加させることにより金融緩和効果を与えることである。

ECBは既に国債買い入れをしていたが

 いずれにせよ、主要政策金利を引き下げたあと、もしくはそれと同時に量的緩和政策と呼ばれる非伝統的に政策を実施する可能性がECBにも出てきた。これについて、ECBは過去に周辺国の国債の買い入れを行っていたではないかとの指摘があるかもしれない。確かに2010年5月にECBは国債の流通市場に介入することを発表し、ドイツやフランス、イタリアの中銀などが国債買い入れを実施した。1999年のユーロ発足以来、欧州の中央銀行が国債の買い入れを実施するのは初めてであった。

 ただし、この国債買い入れは、金融政策の一環としての資金供給手段としている日銀の国債買い入れとは「目的」が異なり、国債市場の安定化そのものが目的となっていた。この際の国債買い入れは金融政策とは異なるものとしており、量的緩和策とは違っていたのである。

 同じ国債の買い入れではあるが、今回、ECBが検討しているとされる量的緩和は低インフレの継続、つまりはデフレを懸念しての金融政策と言える。日銀が大量に国債を購入してデフレ脱却を図っているように、ECBも量的緩和により低インフレのリスクを回避しようとしている。これにはドイツ連銀のバイトマン総裁が、量的緩和の目的としてユーロ高について言及していたように、ユーロ安をもたらすこともひとつの目的となる。

予想外のバイトマン発言の理由

 日銀、FRB、ECBそしてイングランド銀行(BOE)は、欧州の信用リスクの後退とともに、ここにきてその金融政策の違いが明らかになってきた。FRBはテーパリングを開始し、さらにイエレン議長は利上げ時期まで示唆するなど、いわゆる「出口政策」を見据えての動きを開始している。この出口政策とは、非伝統的な政策から伝統的な政策に戻ることである。量的緩和政策を解除し、さらに利上げを行うことで政策目標を金利に戻すものだ。イングランド銀行も今後は利上げの可能性が指摘されており、こちらも出口に向けて方向を変えつつある。

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「ECBも検討している量的緩和策」の著者

久保田 博幸

久保田 博幸(くぼた・ひろゆき)

金融アナリスト

証券会社の債券部で14年間、国債を中心とする債券ディーリング業務に従事。幸田真音『日本国債』の登場人物のモデルにも。専門は日本の債券市場の分析。特に日本国債の動向や日銀の金融政策について詳しい。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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