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オバマ訪日は中国にどう映ったか?

2014年4月28日(月)

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 4月23~25日、米国のバラク・オバマ大統領が訪日し、安倍晋三首相と日米首脳会談を行った。

 国賓待遇、大統領訪日に備えた厳戒警備体制、23日夜の寿司屋における食卓外交…安倍内閣が今回のオバマ訪日にどれだけ強く賭けているかが伝わってくるアジェンダであった。

 その背後には中国という“紅い影”がちらつく。

 東シナ海における中国の挑発的行動が収まらない。昨年12月には防空識別圏を設定した。尖閣諸島周辺海域には依然として断続的に公船を派遣している。中国側は“日本政府が尖閣諸島を国有化したことに対して対抗措置を取っている”という姿勢を取るが、中国が“現状変更を意図している”というもうひとつの側面に対する警戒を解くことはできない。特に2012年9月の“国有化”以来、中国では「日本の実効支配など認めない」といった世論が生まれている。中国政府は尖閣諸島において“紛争を常態化”させる戦術を取り、空と海の両面で勢力範囲の拡張に動いている。

 中国の台頭に対応するためには米国との協調が欠かせない。そして、協調の前提となるのが信頼関係である。その信頼関係が民主党の鳩山由紀夫元首相時代の普天間移設問題や、昨年末の安倍首相による靖国神社参拝などが原因で断続的に揺らいできた。

 東シナ海、そして南シナ海における中国の拡張的政策を警戒するのは、「アジア回帰」によるリバランシング(再均衡)政策を掲げるオバマ政権も同じである。一方で、国内の経済・財政問題やアラブ中東(シリア、イランなど)の外交問題に忙殺されてきたオバマ政権にはアジア政策に十分なポリティカルキャピタル(政治資本)を投入するキャパシティーが不足している。だからこそ、アジア太平洋地域における最大の同盟国である日本の協力が欠かせない。

 米国当局が、安倍首相が靖国神社を参拝したことに“失望”を示したのはこのためだ。日米安保条約の枠組みで中国の拡張的政策に共同で対処し既存の秩序とルールを守ることが日米共通の利益であるはずなのに、歴史問題が表面化すれば、米国としても日本を批判せざるを得ない。同盟国を名指しで批判するとなれば、両国関係に少なからぬ亀裂が生まれ、信頼関係を損なうことになる。そして、中国への対応は遅れ、足並みすら揃わない。その間に中国は着々と経済力と軍事力の強化を進めていく。

 「中国の脅威はそこまで来ている。日米が歴史問題で揉めている場合ではない」。 これがオバマ大統領を取り巻く政策関係者、及び政策決定過程に影響力を持つ知識人たちの総意であると筆者は米国で痛感している。

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「オバマ訪日は中国にどう映ったか?」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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