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五感ブランディングの効用

ツワリがひどい妊娠初期の女性が敬遠するコンビニとは?

  • 井坂 智博

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2014年5月2日(金)

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 今年4月4日から4月8日の5日間、天皇陛下の傘寿を記念して、「春・秋季皇居乾通り一般公開」が行われた。私のオフィスが有楽町ということもあり、最終日の4月8日に乾通りの桜並木を見てきた。

 乾通りとは,宮内庁庁舎前から乾門に至る乾濠及び蓮池濠沿いの通りで、両側には桜やもみじなど様々な樹木がある。最終日ということもあってか、その見事な桜並木道を歩いてみたいというたくさんの人で、通りはとても混雑していた。

五感で観察することの大切さを改めて痛感

 帰社後、弊社の役員を務めている隊長(隊長は彼のニックネームで、彼は全盲である)に、坂下門から乾門まで歩いたときの様子を話したところ、「まるで皇居内を自分が歩いているかのようで、楽しくなります」と喜んだ。そして、隊長からは、「乾通りはどんな香りがするんですか」とか「どんな音が聞こえるのですか」とか「足裏はどんな感じだったんですか。砂利道それとも舗装道路?」など、たくさんの質問が返ってきた。私はありのままを観察して伝えたつもりだったが、実は視覚情報だけしか話していなかったことに気付かされた。

 全盲の隊長に皇居のイメージを言葉で正確に伝えるには、細かい描写と順を追った説明が一番分かりやすいと考えていたのだ。しかし、私自身が視覚情報だけに頼ってしまっているから、他の感覚も交えた説明ができていなかったわけだ。単に風景という視覚情報だけではなく、聴覚(鳥のさえずりや重なり合う葉が風で擦れる音など)や臭覚(桜の花の香りやたくさんの人で重なり合う躍動感あふれる香りなど)、触覚(太い大木の幹に触れた時のざらざらとした表皮の感触や足元から伝わってくる地面の感触など)による情報をフルに活用した伝え方が、相手の理解を深める手助けになるということを再認識させられた。

視覚障がい者は優れたビジネスセンサー

 隊長こと、当社の取締役の松村は、よくコンビニエンスストア(以下コンビニ)のクレンリネス(清潔さ)の良し悪しを口にする。「ここのコンビニは、床のワックスの拭き残しが多いですね」とか、「2番目のレジスタッフの着ている制服は何日も洗濯していないのでは」というように。いわゆる視覚障がい者である隊長は、目が見えない分、他の四感が研ぎ澄まされてビジネスセンサーのような働きをしているのだ。臭覚という点でいえば、我々がコンビニに入ってもせいぜいおでんや唐揚げの臭いくらいしか認識できないのだが、隊長はクレンリネスの良し悪しや店員の汗の臭いに敏感に気づく。

 特に驚かされたのが、妊娠初期でツワリのひどい視覚障がいの女性が、絶対に行きたくないというコンビニチェーンがあったという話だ。その店は、どうやらカウンターで販売している唐揚げの油の臭いが強烈で、その臭いがツワリを誘発するそうだ。

 コンビニのチェーン名をここで公表するのは避けておくが、もしそのチェーンが現在でもこの臭いに対して改善策を取っていないならば、機会ロスは妊婦さんだけにとどまらないだろう。このように、実は知らないところでたくさんのお客様を失っていることに誰も気づかないまま、大きな機会損失をしている企業は少なくないのではないだろうか。

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