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ブルーバック合成の味わい

2014年5月7日(水)

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 今回は前回からの続きです。いちおうそれぞれで独立して読める内容にはしているつもりですが、気になる人はまず前回を先にお読みいただければ、よりすんなり今回の話題に入っていけるんじゃないかと思います。

 というわけで、マンガの合作の話。

 そもそもいまどきの大手出版社の週刊や月刊連載のマンガでは、たいていの場合複数のアシスタントを使っているので、そういう意味では、ほとんどの作品が実質は「合作」と呼べないこともない。

 中には、企画、脚本から、構図、下絵、ペン入れ、背景、エフェクト、食事係……と、完成までに10人以上の手をかけて細かく分業で描いているような作品もある。こうなってくると、絵が動かないだけで、もはやアニメの制作スタイルとさほど違いはなかったりする。

 また、最初から複数名のペンネームであることを公表している作家チームもいる(初期の藤子不二雄、どおくまん、泉昌之、ゆでたまご、CLAMPなど)。

 しかし、あわててはいけない。1人の著者名のもとに描かれた作品であるなら、たとえ10人の手がかかっていても、先生は顔だけしか描いてなかったりしても、ふつうは合作とは呼ばない。代表著者たるマンガ家個人の作品だ。

 前回から述べている合作とは、つまり、ふだんは独立している著者2名が組んだ作品のことを指している。

 とはいえ、上の話を拡げていくと、その境界は曖昧になる。

 子供のころ、まだマンガ読者の側にいた私は、いかにもアシスタント氏が描いたとすぐわかるような、先生のタッチとはまるで違う「その他大勢」が登場する作品を見ると、正直興醒めしていた。そこばかり気になって話に集中できなかった。

 マンガ制作事情をよく理解したいまでも、その想いは払拭できない。
 なぜなら筆致や絵柄とはその作家の世界観の具現だからだ。

 その意味で、合作とはつまり異なる世界観の衝突や融合をさす。

 もっとも、いまのアシスタントの方々の作画技術は尋常ではない。
 先生よりも先生らしい絵を描くことのできるベテランチーフアシもいるし、仕事先を変えても、みんなすぐにその先生のタッチをトレースし、短い時間で自家薬籠中のものとして、手前の主要キャラと世界観の一致した「その他大勢」を描くことができる。

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「ブルーバック合成の味わい」の著者

とり・みき

とり・みき(とりみき)

マンガ家

熊本県出身。ギャグマンガをメインにしながら、エッセイコミックやストーリー物も手がける。94年『DAI-HONYA』98年『SF大将』で星雲賞、95年『遠くへいきたい』で文春漫画賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師