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観光事業の培養地としてのIR

IR事業家 アデルソン氏の戦略

2014年5月8日(木)

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「IR」という言葉が意味するものは、いまだに日本人の多くに知られているとは言い難い。IRの実際の形としては、米ラスベガス・サンズが作り上げてきたビジネスモデルが最も代表的である。

シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズ(写真:Timothy Hursley)

 今国会に提出されているIR推進法案だが、「IR(統合型リゾート・integrated resort)」という言葉が意味するものは、いまだに日本人の多くに知られているとは言い難い。

 もともと「IR」は、シンガポール政府が2006年のカジノ解放に向けた議論の中でつくった言葉だとされている。同国はそれまで一切のギャンブルを禁じていた。早くからカジノを解禁していた隣国マレーシアへ遊びに行く人もいたらしいが、当時のシンガポールでは現在の日本に比べても国民の間でカジノに対する反発は強かった。

 同国政府は、法律を通すに当たって、カジノではなくIRだと言い、アジア太平洋地域での外国人観光客を呼び込む競争に負けるわけにはいかないと反対派を説得した。

 IRの実際の形としては、同国が許可したカジノのライセンス事業者2社の1つとなった米ラスベガス・サンズがそれ以前の10年くらいかけて作り上げてきたビジネスモデルが最も代表的である。

 シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズ(MBS)は、特徴的な形の高層ホテル3つと大型MICE(ミーティング、インセンティブ、コンベンション、エグジビション)施設、大型ショッピングモール、劇場や博物館、それにカジノから構成されている。このうち、カジノの占める面積は3%だが、MBSの収益の約80%をカジノが生み出している。

 つまり、IRとは、多様な目的、多様な人数の外国人旅行客を集める装置であり、その全体の経営を安定させるためカジノを持っている、と見ると分かりやすい。国際的な見本市から投資銀行の大口顧客向けセミナーや大企業の研修といったビジネス目的の客も来れば、数日の休暇を楽しむプライベート旅行者も来る。豪華パーティー会場やコンサート会場としても使われる。非常に多数の旅行客を集め、息抜きにカジノで遊ぶ人を増やせれば、IR経営は成り立ち、観光収入やカジノ入場税などにより、その国のマクロ経済や国家財政に寄与する。

 IRビジネスは、ラスベガス・サンズのCEO(最高経営責任者)であるシェルドン・アデルソン氏がその波乱万丈のビジネス人生の中で作り上げた。同氏こそがIR事業の生みの親であり、最も成功したIR事業家である。

見本市からIRへの進化

 アデルソン氏(80歳)はユダヤ系米国人の企業家であり、米フォーブズ誌の富豪ランキングで現在8位(2014年4月時点)に位置する。12歳の時にボストン市で新聞販売ライセンスを買い取って以来、いくつもの事業を起こし、成功や失敗を繰り返したと言われる。

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