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確かな課題としての日本の少子高齢化

改めて考える人口問題(1)

2014年5月14日(水)

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 これから何回かにわたって人口問題について考えてみたい。私は2010年に『人口負荷社会』(日経プレミアシリーズ)という本を書いて、人口問題については一通り論じたつもりになっていた。大学でも「少子・高齢分析」という講義を担当しており、その内容もほぼ確立しつつあった。

 その私が、もう一度人口問題を取り上げてみようと思ったのには、3つの理由がある。

 第1は、問題の所在はずっと前から分かっているにもかかわらず、人口をめぐる諸問題が一向に解決に向かっていないことだ。解決に向かわないどころか、むしろ問題は深刻化しているようにさえ見える。

 第2は、問題が深刻化しているためか、または私自身の興味が強まったせいか、各方面で人口問題についての関心の高まりが見られることだ。具体的にはこれから取り上げることにするが、私自身も2013年以降相次いで、経済団体連合会21世紀政策研究所、政府の経済財政諮問会議、法政大学、日本経済研究センターなどの研究会に参加する機会を得た。私の印象としては、人口問題に対する社会的・政策的関心は、より進化した形で、一段と高まっているように見える。

 第3は、私自身の人口問題についての認識が不十分だった(または甘かった)ということが分かってきたことだ。新しい知識が増えたと言ってもいいだろう。

 かくして私の講義内容も大幅に見直した方が良さそうだと思い始めた。以下書き進めることは、秋以降始まることになる講義の予習でもある。

確かな未来の確かな課題

 我々は誰もが将来のことを知りたいと思う。将来のことを知って、起きるべき問題点に備えたいからだ。その将来に影響する要因は無数にあるが、ここではそれらの要因を、「確実性(それはどの程度確実に起きるものか)」「重要性(それは将来の経済社会にとってどの程度重要か)」という2つの尺度で分類してみよう。すると、将来に影響する諸要因は、「確実で重要」「不確実だが重要」「確実だが重要でない」「不確実で重要でない」という4つに分類することができる。

 例えば、「確実だが重要でない」ものとしては、潮の満ち引きがある。毎日の潮の満ち引きの時間は何年先までも確実に分かる。しかし、それは誰もが知っており、それを当然の前提として行動しているので、将来のことが分かってもあまり重要ではない。「不確実で重要でない」ものとしては、例えば、これから開かれるサッカーワールドカップの優勝国がある。それは誰も分からないのだが(分からないからこそ面白い)、その結果が経済社会の姿を大きく変えるわけではない。

 「不確実だが重要」の代表が技術革新である。長期的な将来を考えた時、技術革新が経済・社会の姿を大きく変えることは確実である。しかし、どんな技術革新が現れるかは全く分からない(分からないからこそ「革新」なのだ)。したがって、それによってどんな課題が解決され、逆にどんな問題点が現れてくるのかを今から考えても仕方ない。出たとこ勝負で行くしかないのだ。

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「確かな課題としての日本の少子高齢化」の著者

小峰 隆夫

小峰 隆夫(こみね・たかお)

法政大学大学院政策創造研究科教授

日本経済研究センター理事・研究顧問。1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。2003年から同大学に移り、08年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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