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「不況期に映画大ヒット」の法則が逆転した?「アナ雪」

「もののけ姫」「タイタニック」は不況期のヒット作だが…

2014年5月9日(金)

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 「不景気で懐具合がさびしいから、遠出をせずに映画を観にいく」のか。それとも、「景気回復で懐具合が前よりよくなったので、レンタルビデオが出るまで待たず、映画館に足を運ぶ」のか。昔は前者の行動パターンだったが、21世紀に入ると後者の行動パターンが前面に出るようになっている。なぜだろうか。いくつかのデータから考えてみたい。

1980年代~99年は不況期に大ヒット

 一般社団法人日本映画製作者連盟のホームページに、映画に関するさまざまな統計がある。興行収入のデータ(ただし1999年までは興行収入から映画館の取り分を差し引いた配給収入のデータである)が一定の金額を超える大ヒット作がいつ、何本出たのかを調べた上で、それを景気の局面と照らし合わせてみた。

 すると、1980~99年については配給収入50億円以上の作品が出た年は必ず、景気後退局面またはその前後の年であったことがわかる<図1>。配給収入100億円以上に限ると、97年に1本、98年に1本で、97年6月~99年1月の景気後退と見事に重なっている。

■図1:配給収入50億円以上・100億円以上の映画の本数(邦画・洋画計) 80~99年
注: シャドー部分は景気後退局面(その年の過半数の月が拡張、後退いずれの局面かによって、年ごとに判断)。なお、85年は拡張、後退それぞれ6か月ずつだが、便宜的に拡張局面が継続したことにして作図している。
(出所)日本映画製作者連盟、内閣府資料より筆者作成

 実際の作品名を少し挙げておこう。97年は「もののけ姫」が113億円で、50億円以上100億円未満が「インデペンデンス・デイ」と「ロスト・ワールド」。98年は「タイタニック」が160億円で、「踊る大捜査線 THE MOVIE」が50億円ちょうど。99年は100億円を超えた作品はなかったが、「アルマゲドン」「スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス」「マトリックス」の洋画3本が50億円以上の配給収入を確保した。筆者の場合、これらの映画をほぼすべて映画館で観た。

2000年以降は傾向に変化

 ところが、2000年以降については、興行収入50億円以上・100億円以上のいずれについても、景気拡張局面で本数が多くなる傾向が観察される<図2>。

■図2:興行収入50億円以上・100億円以上の映画の本数(邦画・洋画計) 00~13年
注: シャドー部分は景気後退局面(その年の過半数の月が拡張、後退いずれの局面かによって、年ごとに判断)。なお、12年4月(暫定)に景気が山をつけた後の谷は未確定だが、民間の多数説である同年11月とみなした。
(出所)日本映画製作者連盟、内閣府資料より筆者作成

 ちなみに、13年公開の100億円以上の作品は「風立ちぬ」で、50億円以上100億円未満は「ONE PIECE FILM Z」「モンスターズ・ユニバーシティ」「レ・ミゼラブル」である(「レ・ミゼラブル」は傑作ですね。筆者も映画館で泣きました)。

 なお、図では示していないが、今年も興行収入100億円を突破した作品がすでに1つ出ており、足元の映画興行収入の動きはますます景気拡張局面らしくなっている。その作品は、主題歌を含めて大ヒット中の「アナと雪の女王」である。

 映画館に出向いての映画鑑賞という娯楽の「位置付け」が人々のライフスタイルの中で変化した背景には、レンタルビデオの普及と価格低下があると、筆者は推測している。

コメント4件コメント/レビュー

ウォルト=ディズニーがお亡くなりになって以降、ディズニー映画は一度も観に行ってない。GWは『たまこラブストーリー』観に行ったが、傑作だった!(2014/05/09)

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「「不況期に映画大ヒット」の法則が逆転した?「アナ雪」」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ウォルト=ディズニーがお亡くなりになって以降、ディズニー映画は一度も観に行ってない。GWは『たまこラブストーリー』観に行ったが、傑作だった!(2014/05/09)

自分の意識を振り返ってみました。BS・CSの映画はよく見るのですが、レンタルビデオを借りる頻度は少なくなっており、その理由を自問してみると、娯楽としての価値が、レンタル代金の下落とともに低下していることがあります。つまり安くなってありがたみが減ってしまい、借りに行きたいという意欲が湧かなくなったと言う事ですね。逆に映画館には以前より行くようになりました。割引が効く年齢になったことが大きいですが、同じ時間を消費するのであれば、劇場で見る方がありがたい(価値がある)と感じるからでしょうか。(2014/05/09)

消費者の選択は不況期においては一点集中するんですよ。 「明らかにハズレでない」ものを選ぶんです。 メディア媒体でどんなに宣したって、消費者が「ハズレ」と認定すれば相手にされない。(それでも宣伝効果である程度は売れますが) 要するに、宣伝よりもクチコミを優先するんです。 2~3時間拘束される上に周りに気を使う映画館はそういうのに凄く左右されそうです。 DVDは映画館でみるよりも迫力は劣りますが、トイレに行きたいからと一時停止してトイレ行ったり、ノビして固まった体を解したりと自由なだけでなく、割安感もありますから。(2014/05/09)

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