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日銀、身内も訝る物価上昇シナリオ

展望リポートで示した成長率との二律背反

2014年5月8日(木)

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 日銀は4月30日、2014年度から16年度までの「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)を公表した。今回の注目点は、日銀の金融政策を決める正副総裁、審議委員ら合計9人の2016年度の見通しを初めて明らかにしたことだ。これは、企業で例えると中期経営計画にあたる重要な経営指針で、日銀は展望リポートに基づいて基本的な金融政策運営を行う。

日銀の旧館と新館(東京都中央区)

 すでに終了した2013年度に加え、14、15、16年度の実質成長率と消費者物価の見通しは以下の表の通りである。政策委員9人のうち、最大値と最小値を除いた幅を数値で示しており、カッコ内は中央値にあたる。この中央値こそが日銀のいわば対外的な予測と見なされる。

日銀の2013~16年度の経済・物価見通し
実質成長率 消費者物価
2013 2.2~2.3(2.2) 0.8
2.5~2.9(2.7) 0.7~0.9(0.7)
2014 0.8~1.3(1.1) 1.0~1.5(1.3)
0.9~1.5(1.4) 0.9~1.6(1.3)
2015 1.2~1.5(1.5) 1.2~2.1(1.9)
1.2~1.8(1.5) 1.0~2.2(1.9)
2016 1.0~1.5(1.3) 1.3~2.3(2.1)
注)消費者物価は14年度から増税の影響を除くケース。13~15年度見通しの下段は、今年1月時点の予想

物価は3年連続で上昇?

 ポイントは、今年1月段階の見通しに比べ、2013、14年度の成長率が下振れするものの、将来的な物価上昇のシナリオは変わらないと説明した点である。消費増税の影響を除く物価は2014年度から16年度にかけて、1.3%から2.1%に少しずつ高まると予測している。

 昨春に黒田東彦総裁の新体制が発足して以降、世間を驚かせた異次元緩和による2%物価上昇シナリオの達成に依然として自信を示した格好だ。日銀は展望リポートの基本的見解の中で、消費者物価について「暫くの間、1%台前半で推移したあと、2014年度後半から再び上昇傾向をたどり、見通し期間の中盤頃に2%程度に達する可能性が高い」と指摘している。

 この表現は、日銀や霞が関の政策担当者が使いがちな常套句だろう。奥歯にモノがはさまったような曖昧な言い回しで、要するに2%の物価上昇は「見通し期間の中盤頃」とぼやかしている。今回の見通し対象期間は2014年度から16年度であるため、「中盤頃」と聞けば、誰もが「2015年度中」と思うはずだ。

 ただ、黒田総裁は2%の物価上昇時期について、4月8日の記者会見までは「2014年度の終わり頃から15年度にかけて」と繰り返し説明しており、展望リポートを目にした人の多くが「日銀シナリオは後ずれする」との判断を直感的に抱いた。黒田総裁の記者会見から、もう少し物価認識を読み解いてみる。

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「日銀、身内も訝る物価上昇シナリオ」の著者

馬場 燃

馬場 燃(ばば・もゆる)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社の経済部などを経て、2012年4月から日経ビジネス記者。電機・IT業界を担当している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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牛島 信 弁護士