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法人税引き下げは効果を生むのか

医薬品の貿易赤字に見える日本の課題

2014年5月13日(火)

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法人税率引き下げの議論が熱を帯びてきた。だが、推進・慎重派がぶつかり合うのは相変わらず「財源問題」だけ。引き下げで狙うのが、産業競争力の強化なら産業支援策と一体の改革が必要になる。貿易赤字が拡大し続ける薬品業界に、その課題が浮かぶ。産業の側から税制の問題を考えてみた。

 法人税引き下げを巡る自民党内のやりとりがまた激しくなっている。官邸に平仄を合わせる甘利明・経済再生担当相が、現在、35.64%の法人税率を「5年程度で20%台に引き下げるべき。財源には2020年までの財政健全化計画の試算の中で税収が上振れた分を充てる」とすれば、財政再建派の多い自民党税制調査会がすかさず慎重姿勢を示す。

 「(減税分に見合う)代替財源の確保が前提」。野田毅・党税調会長は必ずこう繰り返すし、麻生太郎・財務相も当然ながら同様だ。

 この応酬がどうもすっきりしないのは、互いが相手に正対した議論になっていないからだろう。減税派の一部が税収の上振れ分を減税財源に、というのは、積極的な設備投資を行った場合に行うような政策減税などを縮小しても、20%台への法人税率引き下げの財源にはとても足りないと見ているからだ。

 一方の野田・党税調会長ら財政再建派も、政策減税の縮小などでは財源が足らないという思いは同じ。だからこそ5%以上も大幅に法人税率を下げるなら、「確実な財源を示せ」と言っているのである。

推進・慎重派は相手と向き合わない

 表から見る限り、この論争は「税収上振れ分」という一時的な財源を使ってもいいのか、「確実な財源」でなければ減税すべきではないとするのかという財政思想の争いのように映る。

 だが、その裏にはもう1つ大きな違いが張り付いている。減税派が抱いているのは、法人税率下げが日本企業の活動を活性化し、外資の国内投資も拡大して結局、税収増になるという目論見だろう。しかし、財政再建派はそれを「あやふやな期待」と切って捨て、“確実な”税収だけしかあてにしようとしない。とどのつまりは、企業活動と税制の関係をどう見るかである。

 両者の議論は、そこのところを置いたままだから正対しない。学術的な研究を政治家が行うわけにもいかないだろうが、ここで広範な調査・研究と議論をしなければ、最後はもやもやした思いを残したままの政治決着になりかねない。

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「法人税引き下げは効果を生むのか」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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