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人口が減り、起業家も減り…本当に日本は大丈夫か?

アベノミクスにまだ足りないもの

2014年5月15日(木)

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 日本経済がデフレから本当の意味で脱却するためには、消費者レベルで需給バランスが均衡することによるデフレ構造の解消が必要だというのが、筆者の持論である。安倍内閣の経済政策の中には、2011年春に出版された著書『国家破局カウントダウン』の中で筆者が提唱したことが本当に実行されたものや、検討課題として議論の対象になっているものも見受けられる。

 ここで改めて説明しておくと、筆者の提唱は、需要面では日本の国土に(短期間でも)滞在してお金を使う「滞在人口」を増やす政策(「滞在人口増加策」)である。その3本柱は、①お金とインフラの両面における少子化対策の抜本的強化、②高技能労働者をいわば「入り口」とする移民の受け入れ、③外国人訪問客8000万人超のフランスを目指す観光政策の強化である。一方、供給面では、米国のように「新陳代謝」が活発な産業・企業秩序の構築、特に新しい企業が勃興しやすい土壌の整備を特に主張している。

 それらの関連で、「アベノミクス」で実際に動いており評価に値する実例をいくつか挙げた上で、まだ足りない部分を指摘してみたい。

出産に税制でインセンティブを!

【「アベノミクス」で政策が前進しており、評価に値する実例】

  • ◆フランス型のインセンティブ税制(N分N乗方式)の検討

 3月6日の日経新聞は、「所得税 抜本改革を議論 課税対象 個人から世帯へ 子多いと負担減 政府・与党」と報じた。出生率の大幅引き上げに成功したフランスが導入しているこの税制では、大人を1、子どもを0.5(第3子以降は1)として世帯の人数を計算する。

 夫婦(パートナー)と子ども2人の4人家族の場合、所得総額を3で割った額が課税対象になり、個人の所得に課税する場合よりも低い税率が適用される。実現するかどうかは現時点ではわからないが、出生率を引き上げる上で有効な施策の1つであるとして、筆者が以前から提唱してきたアイデアの1つである。

  • ◆企業の社内保育所の増設を促すために補助金制度を導入

 4月21日の読売新聞は、「社内保育所 運営費補助 政府、来春から 社外開放条件に44%」と報じた。1月11日に日経新聞が報じていた施策が、具体化に向かっている。民間企業の社内保育所は、現在は認可外保育施設の扱いで、原則として国・自治体の補助対象になっていないが、消費税の増税分を財源にしてこれを見直す。

 社内保育所を大幅に増設すれば、勤務地と保育施設の間の移動にかかるさまざまなコストがほとんどなくなる(ただし通勤時間帯にその保育施設まで子どもを連れていく必要はある)。その保育施設のキャパシティーに十分余裕があれば、そこに預けることを前提に共働き世帯のうち子どもが欲しい多くの夫婦が希望している通り、さらには人口維持に必要な出生率の水準の実現に寄与する形で第2子を持つことが容易になる。

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「人口が減り、起業家も減り…本当に日本は大丈夫か?」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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