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ウイグル族の事件と中国景気の危険な関連性

中国は社会の安定を取り戻せるか?

2014年5月20日(火)

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 ウイグル族が関連しているとみられる殺傷事件が中国で発生する頻度が、このところ増している。

 読者もまだ記憶に新しいかと思うが、昨年10月には北京市の天安門前に自動車が突入して炎上する事件があった。5人が死亡し、約40人が負傷した。今年1月には新疆ウイグル自治区のアクス地区で爆発事件があり、容疑者6人が射殺され、別に6人が自爆で死亡した。

 3月には雲南省の昆明駅で武装集団が市民を無差別に殺傷し、29人が死亡、140人以上が負傷している。4月には新疆ウイグル自治区ウルムチ市のウルムチ南駅で爆発があり、3人が死亡、79人が重軽傷を負った。この事件の発生は習近平国家主席の現地視察に合わせるかのようなタイミングで、当局はテロと断定した。5月8日にはアクス地区で、男2人が警官を襲撃して重傷を負わせる事件があった。

実質GDPの趨勢と相関するテロ事件

■図:中国の実質GDPと新疆ウイグル自治区・ウイグル族関連の事件発生件数
(出所)中国国家統計局、マスコミ報道をもとに筆者作成

 2008年以降について、新疆ウイグル自治区やウイグル族に関連する殺傷事件の発生時期と、中国の実質GDP(国内総生産、前年同期比)の推移を重ね合わせてみると、「中国の経済成長が低くなってくるとそうした事件が発生しやすくなる」という関連性があることが分かる。

 なお、5月6日には広東省広州市の広州駅前で切りつけ事件があり、イスラム教徒がよく使う白い小さな帽子を犯人の男がかぶっていたと報じられたが、ウイグル族との関連性が現時点では不明で、グラフのデータには含めていない。

 また、新疆ウイグル自治区のカシュガル地区で4月27日(習国家主席による現地視察の初日)、湖で釣りをしていた漢族の当局者3人が殺害され、ウイグル族とみられる複数の容疑者の行方を当局が追っていると、米政府系のラジオ自由アジアが伝えたが、ニュースソースが1つだけなので、これも含めていない。いずれにせよ、公にされていない事件もまだありそうだ。

 犠牲者の数が最も多かったのは、当局の発表によると197人が死亡し約1,700人が負傷したウルムチ市の大規模暴動なのだが、この事件が発生したのは09年7月である。08年9月の「リーマンショック」発生後の世界同時不況から、中国経済が大規模な経済対策の発動によって、力ずくではい上がろうとしていた時期だった。

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「ウイグル族の事件と中国景気の危険な関連性」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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