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景気後退に近づくタイ経済、政治的難局で手詰まりに?

もはや「マイペンライ」とはいかない

2014年5月27日(火)

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 5月22日、タイで軍によるクーデターが発生したというニュースを聞いた時、「やっぱりそうなったな」というのが、すぐに浮かんだ感想だ。1932年の立憲君主制移行後で、未遂・失敗を含めると実に19回目のクーデターである。タクシン政権を崩壊させた06年9月のクーデターから約7年半で、また同じようなことが起こった。

 王室に関わる事項を除いて憲法が停止され、軍・警察による「国家平和秩序維持評議会」(その後24日に「国家平和秩序評議会(NCPO)」に英語表記を改称)が行政権を掌握。夜間外出禁止令が発令された。

 プラユット陸軍司令官は、20日に戒厳令を発した際には「クーデターではない」と強調していた。だが、ステープ元副首相率いる反タクシン派と、インラック前首相が憲法裁判所判決で失職した後も選挙管理内閣を担っていたタクシン派との根深い対立は、わずか数日間の話し合いで解決するような生易しいものではない。そこで、軍が強権を発動して政権を握り、トップダウンで政治情勢の安定化を目指すことになったわけである。

ウクライナと比べタイ政治の前途は多難

 民主主義政治を否定した今回のクーデターを、米国は非難している。当初は比較的早い段階で NCPOによって暫定政権が樹立され、クーデター後も存続していた上院と協力しながら新憲法制定や選挙制度改革を行った上で、総選挙を実施して民政移管が行われるのではないかとみられていた。

 ところが、NCPOは24日に上院を突然廃止。プミポン国王からNCPO議長への就任を正式に承認されたプラユット司令官は5月26日、政治・社会改革のための会議と暫定的な立法機関を創設する方針を表明した。だが、暫定政権の早期樹立はない模様で、軍政がしばらく続く見通しである。戒厳令で5人以上の集会は禁止されているのだが、バンコクなどでは軍政に反対するデモが発生している。タイの政治の前途は多難だと言わざるを得ない。

 筆者はマーケットエコノミストの視点から、グローバルなリスク要因を日々ウォッチしているのだが、以前からウクライナについてはやや楽観的である一方、タイについてはやや悲観的にみている。

 ウクライナの場合、ウクライナ人・ウクライナ語とロシア系住民・ロシア語という対立軸について、ロシア系住民の自治権を拡大したり、連邦制あるいはそれに準じる国家体制に移行したりするという切り口から、妥協点を模索することが可能である。そしてその際、隣国ロシアによるロシア系住民への影響力が、条件次第では妥協を促す原動力になり得る。

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「景気後退に近づくタイ経済、政治的難局で手詰まりに?」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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