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稲盛さんを激怒させた会議での発言

JALを再生させた「アメーバ経営」(その3)

2014年6月12日(木)

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 2010年当時、JALでは予算制度をベースに経営を行っており、更生計画についても予算制度で計画が作成されていました。また初年度は更生計画を確実に遂行していくことが目標でありましたので、この予算を活かし、その中で「経費の削減」を行うことを考えました。

 JALの予算制度は、かなり正確にできていました。やはり60年近い歴史の中で予算制度を続けていますから、いいかげんな予算ではありませんでした。

 各本部で年度計画と月次計画は、予算制度に基づき精細につくられていました。この年度計画と月次の損益計算書の作成を早め、二つを使って経費削減を目的とした業績報告会をスタートさせました。

 業績報告会とは何かと言いますと、各本部の業績の結果と見通しを報告する全社会議です。会議の目的の一つめは「経費削減への取り組み」、二つめは「幹部の数字への意識を高める」ことでありました。

稲盛さん曰く「予算という言葉はよくない」

 この会議にあたって、稲盛さんは「“予算”という言葉は良くない。予算では経費は達成しても、売り上げや利益は未達になるものだ」と指摘され、予算という言葉を変えるように指示がありました。そのため急遽、“予算”から“計画”という言葉に置き換えることになりました。

 “計画”である以上は、100%使い切るものでなく、実績でいくら削減するかが重要となりました。

 会議では、各本部長に自分の本部の勘定科目ごとの年度計画と実績の差を毎月詳しく説明することを要求しました。業績報告会の1回目は、2010年5月26日でした。

 「年度計画の4月はこうでした」「実績はこうでした」「なぜ差異が出たのか」ということを各本部長がそれぞれ発表するわけです。それを聞いて稲盛会長は「そんなにバラつくのはおかしい」と色々な質問や指導を行われるのです。

「おまえがその結果を出しているんだ!」

 各事業本部長は恥をかきたくないので、必ず事前に予行演習をやっていました。当初は国会答弁のように、脇に事務方をつけて発表する光景も見られました。

 最初の頃には、こんなこともありました。稲盛さんは、自分の部門の実績を人ごとのように発表する本部長に向かって、「君は人ごとみたいに言うとるが、これは君のリーダーとしての結果なんや」と叱責しました。すると、その本部長も負けずに「この結果が出たのは私のせいじゃありません」と反論したのです。稲盛さんは顔を真っ赤にして、「おまえがその結果を出しているんだ!」と怒りを爆発させました。

 このように最初のころは、稲盛さんが幹部の報告を聞いて、しばしば激怒していました。

 「おまえは評論家か!」という言葉を浴びせられた役員もいました。稲盛さんは常に真剣勝負をしています。甘えはいっさい許されません。

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「稲盛さんを激怒させた会議での発言」の著者

森田 直行

森田 直行(もりた・なおゆき)

KCMC会長

京セラでアメーバ経営の仕組みと情報システムの確立・推進を担当。同社副会長を経て、2011年からKCMC会長。経営破綻したJALの再生に稲盛和夫京セラ名誉会長とともに取り組み、早期再建に貢献した。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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