関連会社についても、2012年8月よりはグループ業績報告会を開始し、関連会社への部門別採算制度導入に着手しました。
JALには破たん前には100社を超える関連会社がありましたが、整理・統合・売却により51社まで削減されました。しかしこの関連会社のほとんどが赤字でありましたので、再建にあたっては、この改革も大変重要でありました。
それまで、JALの関連会社の使命は、「親会社を支援する事業」として飛行機の運航を支えると同時にコストを下げることでした。関連会社の社長は本社の意向を聞いて、その通りに経営を行うだけで、企業としての体をなしているところはありませんでした。関連会社が稼いだ利益はすべて本社が持っていくだけでなく、本社の人件費の削減のために、本社の社員を受け入れることもしばしばありました。
どんなに小さくても、会社である以上、永続的な存在でなければ
稲盛さんは、「どんなに小さくても、会社である以上、永続的な存在でなければ、社員の生活を守ることはできない。そのためには何としても黒字にしないといけない」と考えており、私も同感でした。そこで、関連会社だけを集めて、本社と同じように業績報告会を開催することにしました。「関連子会社も企業である以上は、本社から自立して経営しなければならない。子会社であろうと、社員に飯を食わせるのは社長の責任である」。そうしたことを繰り返し伝えていくうちに、子会社の社長の意識も次第に変わってきました。
今は「自主経営の実現」へと変わり、グループ外への事業展開や新規事業にも取り組んでいます。
親会社との取引も、人件費+経費+数%の利益で行うペイロール方式から「マーケットプライスを前提」とした値決めを行っていますので、目標も「経費削減への貢献」から「連結利益向上への貢献」へと大きく変わりました。
それまで関連会社の多くが赤字でしたが、昨年度は特殊な海外の持ち株会社を除いて、全ての関連会社が黒字化して、再生に大きく貢献しました。

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