• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

慰安婦像の撤去を求める米裁判に黄信号

原告は四面楚歌、アジア系法曹界が挙って提訴に反対

2014年6月4日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 カリフォルニア州グレンデールに設置された従軍慰安婦像撤去を求めて在米邦人団体が提訴したのは今年2月20日。連邦地裁中央カリフォルニア支部はこれを受理したものの5月30日現在、公判日程は決まっていない。にもかかわらず、原告である「歴史の真実を求める世界連合会」(=GAHT、代表は目良浩一 元南カリフォルニア大学教授)は既に四面楚歌の状況に陥っている。

 その理由は三つある。

 一つは、4月に原告代理人となった米有力法律事務所、メイヤー&ブラウン社(本社シカゴ)が突如、一方的に契約を解除したこと。慰安婦問題を巡る原告との立場の違いを理由に、これまでの弁護費用を無料にする条件で原告代理人を降りたのだ。当初、原告の依頼を二つ返事で承知したこの法律事務所に何が起こったのか。
(参考資料:「緊急声明:弁護士事務所の変更」、歴史の真実を求める世界連合会」

 二つ目は、提訴から2カ月経った4月21日、韓国系弁護士会ワシントンDC支部をはじめとする13支部が慰安婦像撤去反対を声明。その1カ月後には、グレンデールを含むロサンゼルス大都市圏で弁護士活動を繰り広げている南カリフォルニア日系弁護士会(JABA)と同韓国系弁護士会(KABA)とが「撤去反対」を主張する共同声明を出すに至ったのだ。

 さらに5月27日、日系、韓国系などアジア系弁護士会の上部機関である「全米アジア・太平洋系アメリカ人弁護士会」(NAPABA)がJABAとKABAの共同声明を踏まえ、「撃ち方止め」を要求するステートメントを出した。「アジア・太平洋系アメリカ人法曹界が、歴史認識を巡る意見対立やグレンデールの慰安婦像を巡る論争によってアジア・太平洋系アメリカ人社会を二分するようなことは許さない、とした対応を心強く思っている」。

 筆者はNAPABAに対し、この声明の狙いを問い合わせているが、脱稿段階では回答は届いていない。が、日系、韓国系弁護士会をはじめとするアジア系弁護士会の声明を支持しているところを見ると、原告の肩を持っているとは思えない。むしろ「アジア・太平洋系アメリカ人社会を分断しようとする原告」は許せない、ということだろう。

 在米邦人とアジア・太平洋系アメリカ人とをはっきりと分けている。そう見ると、韓国系のみならず、アメリカ生まれ、アメリカ育ちのアジア系2世、3世弁護士たちが挙って、在米邦人である原告の「撤去提訴」にレッドカードを突きつけたと言える。原告にとって、戦が始まる前に外堀を埋められてしまった観すらある。
("JABA and KABA issue a joint statement, " Japanese American Bar Association, 5/18/2014)
("NAPABA Acknowledges the Suffering of WWII Comfort Women and other human trafficking Victims," National Assian and Pacific American Bar Assiciation, 5/27/2014)

コメント15件コメント/レビュー

アメリカの政界も官界も法曹界も、金で魂を売るクズばかりか!嗚呼、やんぬるかな。(2014/06/05)

「アメリカ現代政治研究所」のバックナンバー

一覧

「慰安婦像の撤去を求める米裁判に黄信号」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

アメリカの政界も官界も法曹界も、金で魂を売るクズばかりか!嗚呼、やんぬるかな。(2014/06/05)

この問題は最近はやりの嫌韓という感情論ではなく、事実を明らかにすることでしか解決できないと思う。慰安婦像の根本的な部分が事実でないのならば、その時の彼らの立場はどうなることか。日本は粛々と確実に事実により外堀を埋めるべきと思う。(2014/06/05)

> 「日米関係にネガティブな影響を与える地方自治体の決定は連邦政府の外交権を保障する米国憲法の精神に反する」言論・表現の自由に関いしては、地方自治体も個人も同じです。外交に関して実効のあることはできませんが、言論は自由です。日本の自治体でも外交にかかわる決議をしています。さらに、この訴訟を行っている団体の代表者達は、「太平洋戦争は、白人支配からアジアを開放する聖戦だと主張しています。この訴訟によって、慰安婦問題はより広く知られるでしょう。つまり、ストライサンド効果をもたらしています。原告には、おおいに頑張ってもらいたいです。(2014/06/05)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「タイム・トゥ・マーケット」で売らないともうからない。

栗山 年弘 アルプス電気社長