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通信キャリアはLINEに屈したのか

「死んだふり」して“土管”は巻き返す?

2014年6月6日(金)

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 スペイン・マドリード中心部の目抜き通り「グラン・ビア」。この一等地に、旧本社を改築した大規模販売店を構えるのが、スペイン最大手の通信事業者テレフォニカだ。

右端の最も高い建物がテレフォニカの旧本社(写真:永川 智子、以下同)

 話題のスマートフォンは、その店舗の一角に、確かに陳列されていた。それは、テレフォニカとLINEが提携して販売するスマホ。LINEがプリインストールされた端末だ。

 テレフォニカが下した、通信キャリアとしての異例の決断には、様々な意見が飛び交った。

 「若手の間で特に認知度が上がっているLINE人気に、通信キャリアが便乗した形。通話収入を増やすことは諦め、とにかく自社のスマホユーザーを増やそうとする戦略で、自ら『土管になる』と開き直ったようだ」。マドリードのIT(情報技術)業界関係者は、この提携に関してこのような感想を述べた。

 LINEをプリインストールしたスマホをキャリアが積極的に売れば、利用者の多くがLINEを使い、音声通話収入の減収につながる。欧州や中南米24カ国で事業展開するテレフォニカは世界でも有数の巨大キャリアだが、自らの土管化に拍車をかけることを承知の上で、新興勢力のLINEと手を組んだようだ。周囲が驚くのも無理はない。

テレフォニカとLINEの提携を象徴するスマホ

 土管化とは、通信事業者が通信インフラの構築や運用に追いやられ、通信インフラの上で提供されるネットサービス分野などでビジネス機会や存在感を失っていく事象を指す。

 だが、テレフォニカは土管化への抵抗を全く見せない。

 「LINEは我々が事業展開する欧州や中南米で急成長している。初めてスマホを使うユーザーにとって、LINEが元々インストールされた端末は非常に魅力的で、多くのユーザーを引き付けるはず」。テレフォニカのフランシスコ・ホセ・モンタルボ グループデバイスユニット取締役は、LINEとの提携の狙いをこう話す。同端末の拡販に向け、両社は共同でマーケティング活動に乗り出す計画だ。

LINEとの提携が拡大する可能性も

 テレフォニカは、スペインだけでなくメキシコやベネズエラなどスペイン語圏の中南米を含む7カ国で、同端末の販売を開始する。2014年前半にも、LINE搭載済みのスマホを本格的に売り出す計画だ。しかも、モンタルボ氏によると、テレフォニカとLINEの提携の範囲は「まだ、ほかの分野に広がる可能性がある」という。

 こうしたテレフォニカの動きは、最近の欧州における通信キャリアの「考え方の変化」を具体化したものだ。

 テレフォニカだけでなく、ドイツテレコムや仏オレンジ(旧フランステレコム)など欧州の通信事業者はつい最近まで、ネット事業者やメッセージアプリ事業者を敵視する発言が多かった。実際に、通信キャリアの首脳が集まるイベントの基調講演は、通信キャリアがアプリ事業者やネット事業者を警戒する内容が多数を占めていた。

 しかし、メッセージアプリを中心としたアプリ事業者の勢いが止まらないのを見て、昨年あたりからこの傾向に変化が出始めた。最近の欧州通信キャリア首脳の発言は「アプリ事業者とは争わず、自分たちが強みを持つ通信インフラで着実に利益を上げる」という内容に変わりつつある。

 ネットサービス分野で競ってもかなわないので、アプリ事業者が参入できない通信インフラの付加価値を追求して戦うという、現実路線の決断と言えよう。が、そうはいっても、各国の大手通信キャリアは元国営のところも多く、通信市場の主役を長く務めてきたことは間違いない。業界の盟主としてプライドも高いはず。

 なのでてっきり、キャリアとアプリ事業者の歩み寄りを持ちかけたのは、アプリ事業者側からだと思っていたが、テレフォニカとLINEの場合はそうではなかった。

コメント6件コメント/レビュー

ひと頃、プロバイダ(ISP)はどこがお得か?乗り換えるならどこか?が話題になったり、PC売り場でも熾烈な顧客の奪い合いが行われていましたが、今や(少なくとも私の周りでは)プロバイダが話題に上ることはありません。MNPの導入、GmailなどのWEBメールの普及、SNSなどのクラウドサービスの普及、家庭内のWi-FiやポケットWi-Fiの普及等々によって、通信キャリアも、おそらくプロバイダと同じような道をたどるのではないかと思います。通信キャリアがプロバイダのように空気のような存在にならないためには、(生活インフラにとどまらず)如何にサービスインフラを構築できるか?ということでしょう。それができなければ『土管』に徹して生きていくしかないということであり、Lineは、あくまでも現時点での象徴としての『敵』に過ぎないのでは?(2014/06/06)

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「通信キャリアはLINEに屈したのか」の著者

宗像 誠之

宗像 誠之(むなかた・せいじ)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日本経済新聞社産業部、日経コンピュータを経て、2013年1月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ひと頃、プロバイダ(ISP)はどこがお得か?乗り換えるならどこか?が話題になったり、PC売り場でも熾烈な顧客の奪い合いが行われていましたが、今や(少なくとも私の周りでは)プロバイダが話題に上ることはありません。MNPの導入、GmailなどのWEBメールの普及、SNSなどのクラウドサービスの普及、家庭内のWi-FiやポケットWi-Fiの普及等々によって、通信キャリアも、おそらくプロバイダと同じような道をたどるのではないかと思います。通信キャリアがプロバイダのように空気のような存在にならないためには、(生活インフラにとどまらず)如何にサービスインフラを構築できるか?ということでしょう。それができなければ『土管』に徹して生きていくしかないということであり、Lineは、あくまでも現時点での象徴としての『敵』に過ぎないのでは?(2014/06/06)

LINEと一番最初に提携したキャリアがKDDIだったと思うのですが、それについての言及や検証をして欲しい。(2014/06/06)

>通信キャリアはLINEに屈したのか見出しの時点でまず読む気が起きませんでした。流し読みしても筆者の考え方も古い。LINEを批判することに必死なようですが、じゃあスマホもガラケーと同じくキャリアの提供する通話サービスとキャリアメールだけ使ってろと?まずインターネットがどういうものかということから勉強されてはどうですか?(2014/06/06)

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