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低所得者(ディアオス)層の心をつかんだ会社

中国・内陸で急成長を遂げた化粧品通販

2014年6月10日(火)

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 近頃、中国のネット通販が相次ぎ、米国で上場を果たしています。中国最大のネット通販の「タオバオ」を運営するアリババ社は、米国での上場準備を進めています。資金調達額がフェイスブックを超え、ネット企業としては過去最大になると言われています。上場が成功すれば、同社に3割以上出資している孫正義氏が率いるソフトバンクは約6兆円近い資産を手に入れるでしょう。

 中国で第2位のネット通販JDドット・コム(京東商場)は5月22日、米ナスダック市場に上場しました。中国企業として米株式市場で過去最大の資金調達(17億8千万ドル、約1800億円)を実現したのです。

 そうした中で、5月16日に「聚美優品」(JMEI)という中国の化粧品通販の会社もニューヨーク証券取引所(NYSE)で上場を果たしました。

 アリババほど知名度が高くないためか、日本ではほとんど報道もされませんでした。創業して4年目ですが、すでに中国の化粧品通販の2割以上のシェアを占める業界トップです。創業時、同社の登録顧客数は130万人でした。ところが、昨年は1000万人を超えています。

 最近3年間の売り上げをみると、2180万ドル、2億3320ドル、4億8300ドル(約490億円超)とまさに倍々増です。純利益をみても、3年前は400万ドルの赤字でしたが、2年前には810万ドルの黒字を実現し、昨年は2500万ドル(約25億円超)の黒字でした。

中国の社会変化が背景に

 急成長の秘密は、ここ数年間の中国の社会変化と大きく関係しています。

 日本でもよく知られている「80後」という言葉があります。1980年代以降に生まれた一人っ子世代のことです。「小皇帝」として甘やかされて豊かな時代に育ったので、色々な情報にも敏感です。親や祖父母からのお小遣いも多いので、消費意欲も高いのです。

 ところが、数年前から彼らを取り巻く環境が様変わりしたのです。特にリーマン・ショック直後に中国政府が行った4兆元の巨額投資のマイナスの側面で、不動産価格が急騰。上海や北京の都心部では既に東京よりも不動産価格が高いという異常な状況です。

 このため、親世代より豊かだと言いながらも、「80後」の若者の年収では、大都市でのマンション購入はもはや夢のまた夢。それに加えて地域格差も大きい。大都市の若者に比べて内陸都市の所得水準はさらに低いからです。

 所得水準の低い若者は、こうした厳しい現実を目の当たりにして、自嘲気味に自分のことを「(屌絲)ディアオス」と呼びます。これは「低収入」「負け組」というニュアンスの言葉です。中国の若者が置かれた状況を示す言葉として流行語になりました。特に、大都市より所得水準の低い内陸都市では、「ディアオス」と自認する若者がさらに多いです。

 一方、中国では今、インターネットが急速に普及しています。すでに13億人の半分がインターネットを使っており、とりわけ若年層の普及率は高く、所得水準がまだ低い内陸都市の女子大生や若いOLたちでも、ネットを通じて、北京や上海で流行っている化粧品ブランドを知っています。しかし地元では、まだこれらの化粧品は売られておらず、販売されたとしても、値段が高いため、なかなか手が届かない高嶺の花です。

コメント2件コメント/レビュー

中国当局は意図的に外国企業に圧力をかけることも少なくないので、コンプライアンスを軽視するのは当局につけ込まれる隙を与えるだけです。スピードは意識しつつも、いかに当局につけ込まれないようにリスクヘッジするか、日本企業であるが故のリスクは十分意識した方がいいでしょう。(2014/06/10)

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「低所得者(ディアオス)層の心をつかんだ会社」の著者

徐 向東

徐 向東(じょ・こうとう)

CM-RC.com(株)中国市場戦略研究所 代表

北京外国語大学講師、日経グループ企業の首席研究員、上海事務所総監、コンサルティング会社の代表などを経て、2007年から(株)中国市場戦略研究所(cm-rc.com)と上海CMRC代表。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

中国当局は意図的に外国企業に圧力をかけることも少なくないので、コンプライアンスを軽視するのは当局につけ込まれる隙を与えるだけです。スピードは意識しつつも、いかに当局につけ込まれないようにリスクヘッジするか、日本企業であるが故のリスクは十分意識した方がいいでしょう。(2014/06/10)

海外ブランドが正規よりもずっと安くなるのならばそれは間違いなく「假的」でしょう。買う方もわかって買ってるからどっちもどっち。ただカバンとかDVDの假货は身体に害はないけれど化粧品は自分の肌に使用するものだから怖いですけどね。そこまでして安く上げたいのであれば日本人に勝機はない。(2014/06/10)

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