• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

モディ首相が日本に来る?!

日印安全保障連携に向けた具体策

2014年6月10日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 インドの新しい首相ナレンドラ・モディ氏の訪日が検討されている。時期は7月、モディ首相にとってはブータン訪問に続く2番目の外国訪問になるかもしれない。アメリカやロシアよりも先に日本を訪問するのだ。同首相は、明らかに日本を重視している。とても大きなチャンスが日本に巡ってくるかもしれない情勢だ。

 モディ首相については、グジャラート州知事時代の経済政策の手腕が特に高く評価されている。このため、日印の経済関係強化に注目が集まっている。ただ、昨今進んでいる日印の安全保障関係についても忘れることはできない。

 実は、モディ政権も安全保障を非常に重視している。国防費を増額し、長年、先延ばしにしていた戦闘機などの輸入契約も積極的に進めようとしている。そのため、モディ首相の訪日において、安全保障関係強化に向けた動きが注視される。

 モディ首相のインドは、日本とどのような安全保障関係を構築しようとするだろうか。インドは、自らが主導権を持つ独自路線を追求していることが知られている。いわば現代の「非同盟」政策である。ただ、インドの軍事行動、例えば共同演習などを見てみると、そこには別の顔も見える。日米重視路線である。

 インドは2001年以降、米国との間で60回以上の共同演習をしている。中国との間では4回である。そして日本との間では、2007年に2回、2009年に1回、2012年に1回、2013年に1回の計5回の共同演習を行い、今年はさらに2回計画している。この回数を見る限り、インドは表向き「非同盟」の顔を維持しながらも、中国に比べて、日米との友好関係を重視している。

 もしそうであれば、モディ首相の訪日に際しても、中国を念頭においた協力が重視される。日本は、インドが中国に対してどのような警戒感を持っているかを把握した上で、日印連携のための交渉を進める必要があろう。ここでは、インドの対中警戒感にかかわる5つの点について概観し、その上で、具体的な日印協力案を探ることにする。

4000キロの国境を接する

 まず、インドは、約4000キロメートルにわたって中国と国境を接している。しかも国境未確定地域がある。これを巡って、かつて1962年には戦争があり、1967年には軍事衝突があった。1986年には中国軍の侵入に対してインドが軍事演習を行って威嚇(強制外交)を行った。現在でも、中国軍は毎年平均200件の侵入事件を起こしている。2013年4月には中国兵50人がインド側に侵入し、テントを張って3週間居座る事件が起き、12月にも、20人程度の中国兵が同様の事件を起こしている。

 このような国境における軍事バランスも、中国側に有利な状態にある。中国は道路、鉄道、トンネル、飛行場の整備を進め、新型戦闘機やミサイルの配備を強化している。国境付近において、中国は2日で戦闘配置に就くことができるようだ。これに対してインドは1週間かかる。地形も中国側に有利になっている。陸上戦闘では高い所から低い所に攻める方が容易だ。中国側の方が標高が高い。空の情勢についても同様である。インド空軍の参謀長が2009年に、中国側はインド側の3倍の空軍力を保有していると述べている。

 だから、インドは中国の攻撃を警戒し、備えを強めている。インドは国境地帯のインフラ整備を進めると共に、新型戦闘機を配備し始めている。インド陸軍が創設に取り組んでいる第17軍団9万人は、チベット方面に反撃に出るための軍団だ。総員113万人の同国陸軍において、新たに9万人もの部隊を創設する意味は大きい。それだけ、インドの対中警戒感が高まっている証拠と言える。

 モディ首相も選挙期間中、中国と領土紛争になっているアルナチャル・プラデシュ州で演説し「中国は拡大主義者の思考回路を捨て去るべきだ」「この地球上のいかなる力も、我々からアルナチャル・プラデシュ州を奪い取ることはできない」とはっきりと述べており、国境警備を担当する警察軍(准軍隊)のインド・チベット国境警察隊の増員も計画中だ。同政権の対中防衛に対する関心の高さを伺うことができる(注1)

(注1)“Modi in Arunachal: China should shed expansionist mindset” (The Times of India, 22 February 2014).

中国軍はカシミールのパキスタン側に駐留

 中国はパキスタンに軍を駐留させている。これはインドにとって大きな問題だ。特に、インドとパキスタンが領有権を争っているカシミール地方のパキスタン管理地域に、中国軍を駐留させていることは重大である。インドが自国領だと思っているところに中国軍が展開していることは、インドにとって不愉快であることおびただしい。報道によって数字は異なるが、中国軍は数千から1万人近く駐留し、主に道路建設に従事しているようだ。

コメント3件コメント/レビュー

全体に2ちゃんねるのミリタリーオタクレベルの論文。(2014/06/10)

「日印「同盟」時代」のバックナンバー

一覧

「モディ首相が日本に来る?!」の著者

長尾 賢

長尾 賢(ながお・さとる)

未来工学研究所研究員

2001年、学習院大卒。自衛隊、外務省勤務後、学習院大学大学院でインドの軍事戦略を研究、博士取得。現在、未来工学研究所研究員と日本戦略研究フォーラムの研究員、学習院大学東洋文化研究所客員研究員。専門は安全保障、インド。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

全体に2ちゃんねるのミリタリーオタクレベルの論文。(2014/06/10)

安倍首相就任以降のの外交戦略が特筆すべきということがここでもわかります。(日韓首脳会談除く)今後も期待しています。(2014/06/10)

 インド洋に中東へのシーレーンが走っている以上、インドとの連携は必須。 かって「光輝ある孤立」政策をとっていた英国と日英同盟(明治35年)を結んだように、非同盟政策のインドと同盟することとなれば、画期となろう。そのためにも、集団的自衛権行使容認へ舵を切れ!(2014/06/10)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

小池さんがこの言葉(排除)を述べたことで、「風」が変わっていきました。 ただし、小池さんが言ったことは正論です。

若狭 勝 前衆院議員