• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

米国から見た、拉致問題を巡る日朝合意

「金正日路線」からの脱却に動いた金正恩に最大の関心

2014年6月11日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「日本と北朝鮮が拉致問題の再調査で合意したことを、いちばん喜んでいるのはアメリカではないのか」。米国に駐在する、日本のある外交官が筆者にこう語った。「国家権力による人権侵害に最も敏感なのはアメリカだし、なによりもあの金正恩(総書記)が初めて歩み寄りを見せたことはアメリカにとっても重大な関心事だからだ――」(同)。

 むろん米国は、日本が対北朝鮮経済制裁を単独で解除しようとしていることに危惧の念を抱いている。経済制裁は、北朝鮮が核やミサイルを開発するのを阻止する最重要の「取引材料」だからだ。だが米国の姿勢は、韓国とは明らかに一線を画している。韓国は「日米韓の対北朝鮮戦線に不協和音を生じさせる。安倍首相の危険な独走」(東亜日報)などと警戒感を露わにしている。
("安倍首相の危険な独走、どこまで…"、東亜日報、6/5/2014)

拉致問題の重要性を熟知する米国

 米国が今回の日朝合意を、用心をしつつも、好感を持って受け止めているのはなぜか。

 一つには、「揺らぐことのない日米の絆」(米国務省関係筋)がある。両国は先進民主国家として民主主義と市場経済という価値観を共有している。2011年の東日本大震災の時に米軍将兵2万4000人を派遣した「トモダチ作戦」(捜索救難、災害救助、人道支援作戦)はそのことをシンボリックに示した。世論調査を見ても、米国人にとって日本は英国、カナダに次いで好感度が高い国である。

 拉致問題が日本政府及び日本国民にとって最優先議題であることを米国は十分理解している。2014年2月に公表された「米議会調査局報告」に次のような指摘がある。

「日本にとって拉致問題解決は最優先議題になっている。日本政府は拉致問題が解決しない限り北朝鮮に対する経済援助は一切行わないとしている。ブッシュ政権は08年、北朝鮮が核開発で譲歩した代わりに、北朝鮮をテロ支援国家リストから外した。この決定に日本政府当局者たちは北朝鮮のリスト除外は拉致問題とリンクすべきであるとして失望落胆した」
("Japan-U.S. Relations: Issues for Congress," Congressional Research Service, y Emma Chanlett-Avery, 3/11/2014)

日本人拉致家族に現職大統領2人が会った意義

 大袈裟な言い方かもしれないが、現職の米国大統領2人が外国の拉致被害者家族と会うなどというケースはあまりない。横田早紀江さんは、06年にジョージ・W・ブッシュ第43代大統領とホワイトハウスで、14年5月24日には来日中のバラク・オバマ第44代大統領と迎賓館で面会している。オバマ大統領は席上、「政治家としてではなく、一人の親として拉致は許せない。日本政府と協力して解決しなければならない」と大見得を切っている。

コメント4

「アメリカ現代政治研究所」のバックナンバー

一覧

「米国から見た、拉致問題を巡る日朝合意」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

意外なことに、伝統的な観光地が 訪日客の誘致に失敗するケースも 少なからず存在する。

高坂 晶子 日本総合研究所調査部主任研究員