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東京五輪の競技場は誰が作る?

深刻化する現場の職人不足

2014年6月12日(木)

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5月1日のメーデーでは職人の待遇改善を求めた(写真:北山宏一)

 6月13日(日本時間)、ブラジルでサッカーワールドカップが開幕する。世界中が熱狂する4年に1度のイベント。だが今年に入って、準備不足のドタバタが報じられた。スタジアム建設や交通インフラ整備が予定よりも遅れていることが話題になった。

 2020年に東京五輪の開催を控える日本にとって、他人事ではないかもしれない。スタジアムなどの建設が予定通り進まない懸念要因として、人手不足が挙げられる。

 今でも工事現場で働く左官や大工などの職人が足りない。現在、330万人が建設業に従事している。最悪のシナリオでは、2025年に約240万人にまで減ることが試算されている。

 その一方で、建設需要は震災復興や東京五輪開催に向けた投資などで回復しつつある。建設経済研究所によると、2014年度の建設投資は約49兆円と、2010年度に比べ17%増える見通し。2020年の東京五輪に向けてオリンピックスタジアムや選手村など、主な施設の新築が予定されている。今後も増える案件に対して、人手の不足感がますます広がりそうだ。

 職人が減り続けているのは、主な従事者である団塊世代の退職に加え、若者が建設業に就きたがらないことにある。総務省の労働力調査によると、55歳以上の労働者が約3割を占める一方で、29歳以下は約1割しかいない。

 芝浦工業大学工学部の蟹澤宏剛教授は「ベテランからノウハウを継承する30~40代が極端に少ない。40歳ですら若手という現場もある」と指摘する。

3年以内に約半数が離職

 建設業は以前から3K(危険・汚い・きつい)職場と言われてきた。仕事がきつい分、収入も高かったので、若者が集まってきた。奈良県の建設会社社長は「20年ほど前は、若くても高級車に乗れたり、飲み屋でお酒を派手に飲んだりできるほどの給料がもらえた。だからしんどくても頑張れた」と振り返る。

 だが、建設業は今、「賃金が安く、しんどいだけ」の職場になりつつある。建設業男性の平均年収は394万9000円(厚生労働省調べ)。全産業平均の524万1000円と比べ、26%も低い水準にとどまっている。

 高卒者が建設業に就職しても、3年以内に43.7%が離職する。製造業の24.4%に比べても1.5倍以上高い。建設現場で働いて一人前になった頃に、将来の生活設計に不安を覚えて退職していくのだという。「25歳を過ぎると工場など異業種へ転職してしまう。たださえ若い職人が少ない上に流出過多状態が続いている」(芝浦工大の蟹澤教授)。

 景気回復により、外食や小売りなども人手不足に悩まされ、時給は高くなっている。東京土建一般労働組合の影山政行専従常任中央執行委員は「クーラーが効いた店舗で働く方が稼げるなら、きつい現場で働きたいとは思わないだろう」と嘆く。

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「東京五輪の競技場は誰が作る?」の著者

西 雄大

西 雄大(にし・たけひろ)

日経ビジネス記者

2002年同志社大学経済学部卒業。同年、日経BP社に入社。日経情報ストラテジー、日本経済新聞社出向、日経コンピュータ編集部を経て、2013年1月から日経ビジネス編集部記者。電機、ネットなどを担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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