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税収上振れはいつまで続くのか

2014年6月18日(水)

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 近年、国の税収が上振れしている。当初予算との対比で見れば、2010~2012年度にかけて3年連続で上振れしており、平均上振れ額は2.5兆円にも上る。また、補正後予算との対比では2009~2012年度にかけて4年連続で上振れし、平均上振れ額は1.5兆円となっている。要因を探るべく、税収の項目ごとにそれぞれ上振れ額を計算してみると、法人税収が当初予算との対比では平均1.8兆円、補正後予算との対比では平均1.0兆円それぞれ上振れしていることがわかる。つまり、当初予算との対比では73%、補正後予算との対比では68%が法人税の税収上振れ分で説明できることになる。

 確かに、2010年度は名目GDP(国内総生産)成長率も当初予算時点での見通しのプラス0.4%から実績はプラス1.3%となったため、税収が上振れしたのもうなずける。しかし、同年度の税収を見ると、当初予算時点で前年比マイナス3.5%だったのが、補正後予算で同プラス2.3%に上方修正されている。そして決算時点に至っては同プラス7.1%にまで上振れしている。

 特に2011・2012年度のケースには多くの示唆がある。注目すべきは、2011・2012年度とも名目GDPはマイナス成長となっているが、税収はむしろ増加していることである。一般的に、税収弾性値は1.1とされていることからすると、少なくとも近年の税収は名目成長率以外の要因で増加してきたことになる。

 これに対して、繰越欠損金の減少に伴う欠損法人割合の低下により、課税ベースが拡大したという指摘がある。実際、欠損法人割合は2009年度にピークとなっており、2010年度以降低下に転じている。しかし、欠損法人割合が明確に低下したのは2012年度であり、2011年度の税収の増加は欠損法人割合の低下のみでは説明できない状況にある。背景には、繰越欠損金が残っていても欠損法人ではない企業もあり、欠損法人割合の低下だけでは説明できない税収の増加分もあるということがある。我が国では最大9年の赤字繰越が可能な中、繰越期限を迎える企業が増えることで、欠損法人割合が低下しなくても税収が増えてきた。しかし、欠損法人割合の低下や繰越欠損金の減少にも限度がある。従って、足元で税収が上振れしているからといって、今後も税収の上振れが永遠に実現するとは言い切れない。

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「税収上振れはいつまで続くのか」の著者

永濱 利廣

永濱 利廣(ながはま・としひろ)

第一生命経済研究所主席エコノミスト

日本経済研究センター、東京大学大学院経済研究科修士課程等を経て、2008年4月から第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト。経済統計、マクロ経済の実証分析を専門とし、内外経済の長期予測を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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