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日本の研究者が抱える“3つの損”

科学界がSTAPの余波を克服するには

2014年6月19日(木)

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 STAP細胞の論文問題を巡り、理化学研究所の改革委員会が12日、「研究不正再発防止のための提言書」を発表した。

 既に多く報じられている通り、理研のCDB(発生・再生科学総合研究センター)の解体を柱に、抜本的な改革を求める内容になっている。

理化学研究所の改革委員会は、科学者の責任にも言及した

 この日、改革委員会のメンバーが勢揃いして都内で記者会見を開いたが、その中で印象に残った発言が1つあった。

 「日本は科学技術立国である。

 だからこそ多額の予算を研究に投じて、科学者に頑張って頂いて日本の発展があるんだと、国民は皆そう思っている。

 社会、国民の信頼があってこそ、税金を投じることが許される、納得される。

 そういう立場にあることを理解して頂きたい」。

 アカデミア(学術界)以外から改革委員会に名を連ねた弁護士の竹岡八重子氏は、こう述べた。

 真っ当な指摘。

 しかし、どこか引っかかったのには、2つの理由がある。

 一国民として、研究者に対して「先生の研究は日本にとって大事なので、ぜひ頑張ってください。よろしくお願いします」と、“依頼”や“許可”をしている実感を持っている人がどれだけいるだろうか、と思ったのが1点。

 もう1つの疑問は、研究者や科学者の側にとって、自分の研究が国民や社会の信頼を前提にして成り立っている使命感がどれだけ重要なのか、もっと言えば、そうした使命を負わされていることが、研究者にとって望ましいのかどうか、という点だ。

科学技術立国の重い「看板」

 「日本は科学技術立国だから、研究者が国を支えていかなければならない。君たちはその使命を負っているから、これこれこうした研究に取り組む義務と責任がある」といったことを、真正面から研究者に求めることは、恐らくどの大学や研究所でもなされていない。

 研究の現場に対して「科学技術立国」という言葉がことさら取り上げられるのは、それこそ今回のように、何か問題が生じたときくらいだろう。

 自分のやりたい研究をやりたいように進めたい、というのが多くの研究者の本音と思われるし、研究予算をいかに確保するかは考えても、その源泉が税金であることを常日頃意識する人は少ないのではないか。

 大学教員になった自分の知人を含め、研究者の多くは、国の管理が厳しいと成果が出なくなる、と主張している。

 科学技術立国という看板を背負うことは、科学や研究に対する国からの一定のコミットメントが保証されることを意味する一方で、国費の使い方や成果に対してモニタリングを受ける研究者にとっては、窮屈さを強いることでもあるように思う。

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「日本の研究者が抱える“3つの損”」の著者

田中 深一郎

田中 深一郎(たなか・しんいちろう)

日経ビジネス記者

日経新聞科学技術部、証券部を経て、2012年4月より日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト