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市場関係者はお上頼みの発想から脱却せよ

―アベノミクス批判に反論する―

2014年6月20日(金)

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 前回に続き市場参加者からのアベノミクス批判に対する反論です。3つある批判の中で前回は「追加緩和がない」を取り上げました。今回は「成長戦略の進展が遅い」と「もっと経済政策に専念すべき」に反論します。最初は「成長戦略の進展が遅い」です。

成長戦略は本当に遅いのか?

 成長戦略に不満があるのは海外の投資家です。彼らを訪問した証券会社のエコノミストやストラテジストから、「スピードが遅い」「めぼしいものがない」などと言われたとの話をよく聞きます。

 外国人だけではありません。運用会社のファンドマネージャーなどを対象とした銀行系証券会社が主催する戦略特区に関するセミナーに出席した時のこと、質疑応答の時間に出席者(日本人)の一人が講師に対して「なんでもっと早くできないのか」と詰め寄る場面を目撃しました。

 しかし、必ずしも成長戦略が遅れているわけでありません。彼らの多くは成長戦略の内容をよく知らずに批判しているのだと思います。そうした批判への反論として、成長戦略の中で進展している施策をいくつか紹介します。

観光立国と賃上げが消費増税後の景気を下支え

 既に成果を上げているのが、観光立国と賃上げです。1年前に策定された日本再興戦略は訪日外国人旅行者数について2013年は1000万人、30年には3000万人超との目標を設定しました。これに対して昨年の実績は1036万人、第一目標達成です。ビザ発給要件を緩和したマレーシアやタイなどASEAN(東南アジア諸国連合)諸国からの観光客増が寄与しました。また2030年に向けても東京五輪決定や富士山の世界遺産登録など幸先の良いスタートを切っています。

 賃上げも広義の成長戦略と言ってよいでしょう。日本経団連の集計(第1次)によれば、大手企業の賃上げ率は2.39%、昨年の1.91%を大きく上回り、15年ぶりに2%を超えました。2002年以降ほぼゼロだったベアが復活、賃上げ率を0.4%分押し上げたことが寄与しています。この2つを評価するのは、単に「観光客が増えた」「賃金が上がった」からではありません。

 消費税率引上げによる景気への影響、特に消費への悪影響が懸念されていましたが、結果は事前の想定内、あるいはそれ以下にとどまりました。財政出動や金融緩和などと並んで、消費増税の影響を緩和したと報じられているのが外国人観光客増と賃上げです。既に実体経済に好影響を与えていることから、両者の健闘は成長戦略進展の1つの証と評価しています。

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「市場関係者はお上頼みの発想から脱却せよ」の著者

門司 総一郎

門司 総一郎(もんじ・そういちろう)

大和住銀投信投資顧問/経済調査部部長

アジア株ファンドマネージャー、チーフストラテジスト、投資戦略部長などを経て、2014年より経済調査部部長。 同社ホームページに「市場のここに注目」を掲載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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