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米国は集団的自衛権行使容認をどう見ているのか

安倍政権の「暴走」に懸念も

2014年6月24日(火)

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米国は当初から変更実現を確信

 日本政府が7月初旬にも、集団的自衛権行使を可能にする憲法解釈の変更を閣議決定すると見られる。閣議決定を受けて、「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)再改定に向けた動きが加速する。

 集団的自衛権行使を巡る自民・公明与党間の協議はもめにもめている。だが、米政府は閣議決定を確信しているようだ。というのも、ワシントンを訪問していた、安倍晋三首相側近筋から「公明党が反対しようがしまいが、総理は必ずケリをつける。そのことに政治生命を賭けている」との感触を得ていたからだ。

 安倍首相は「わが国の安全に重大な影響を及ぼす可能性(のちに「おそれ」と修正)がある時、限定的に行使することが許される」ことを前提に、想定される15事例が示した。

 整理すると、(1)日本への武力攻撃がない場合(3事例)、(2)PKO・多国籍軍への国際協力(4事例)、(3)日本への攻撃が起きている場合(8事例)。集団的自衛権の行使が想定される(3)の8事例のうち、半数以上は朝鮮半島有事と中東の海上交通路(シーレーン)防衛を想定している。

 (3)の8事例のうち、米国にとって直接間接に関係があるのは、以下の3つだ。(a)公海上で米艦船への攻撃に対する応戦、(b)有事の際に避難する民間の日本人らを運ぶ米艦船の護衛、(c)米国に向かう弾道ミサイルの迎撃、(d)ミサイル防衛に従事している米艦船の防護。

 これに武力攻撃がない場合の(1)の3事例のうち、平時において弾道ミサイルが発射された際の米艦船の護衛などをはじめとする緊急時の支援協力が加わる。

「自衛隊が憲法上認められるなら集団的自衛権行使容認は当然」

 当然のことだが、日本サイドから見れば、これによって日本がどこまで防衛分担を増やすか、事細かに想定している。ところがアメリカ側から見れば、日本政府が集団的自衛権行使を憲法解釈上容認すれば、極東に配備している米軍将兵、艦船、航空機は自衛隊からどれだけ支援協力を得られるかに絞られる。

 米政府は、これまで日本が集団的自衛権行使に踏み切ることに期待と支持を表明してきた。米軍と自衛隊とがより効率的に有事に対処でき、それだけ抑止力を高めることができるというのがその理由だ。その意味で、集団的自衛権をできるようにした安倍政権と、日本周辺など狭い範囲に限るよう「歯止め」をかけたいとする公明党や一部メディアとのせめぎ合いを注視している。

 集団的自衛権問題を長年調査分析してきた米有力シンクタンクの米国人上級研究員の一人は筆者に次のようにコメントしている。いわばアメリカの「ホンネ」だ。

コメント10件コメント/レビュー

 米国が、中国の軍事力強化に懸念を持った上で、日本の集団的自衛権の行使にも理解を示していることを再確認出来ました。ありがとうございます。 ですが、今後の米国の出方が気になります。今のオバマ民主党政権がどれほど日本を理解しているのか。北挑戦、韓国、中国に対する外交を含めてです。 現状、現在の米国経済は中国にかなり依存してます。日本はそこまでひどくないようですが。 それに、軍事費を大幅削減をしてしまったこと(少なくとも公表してしまったこと)などを考えると、オバマ民主党政権の読みの甘さというか、勉強不足というか、財政難の折りある意味仕方なかったのかも知れませんが、既に中国の術中にはまっているのでは無いかと危惧しております。 中国が、東シナ海、南シナ海で大胆な行動を取っているのも、足下を見られてしまったからでは無いでしょうか。 その上、中国経済も危ういと言われる中、こぞって中国経済に投資しながら、一方では中国の軍事力強化を非難しているという矛盾が滑稽に見えて仕方ありません。もちろん残念な方にです。 なので、今後、米国の脆弱部分の補完役として日本が利用されることもあるんだろうなぁ、とも思っておりますし、そういう覚悟も必要なのでしょう。併せてその対策も考えておく必要があるのかもしれません。 まだまだ、平和呆けの人が多い中、願わくば、会話が期待できない相手とは、集団的自衛権の行使をすることなく、経済制裁などの制裁カードにより、平和的に問題解決する方法にもエネルギーを注いで貰いたいものだと思っております。(2014/06/24)

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「米国は集団的自衛権行使容認をどう見ているのか」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

 米国が、中国の軍事力強化に懸念を持った上で、日本の集団的自衛権の行使にも理解を示していることを再確認出来ました。ありがとうございます。 ですが、今後の米国の出方が気になります。今のオバマ民主党政権がどれほど日本を理解しているのか。北挑戦、韓国、中国に対する外交を含めてです。 現状、現在の米国経済は中国にかなり依存してます。日本はそこまでひどくないようですが。 それに、軍事費を大幅削減をしてしまったこと(少なくとも公表してしまったこと)などを考えると、オバマ民主党政権の読みの甘さというか、勉強不足というか、財政難の折りある意味仕方なかったのかも知れませんが、既に中国の術中にはまっているのでは無いかと危惧しております。 中国が、東シナ海、南シナ海で大胆な行動を取っているのも、足下を見られてしまったからでは無いでしょうか。 その上、中国経済も危ういと言われる中、こぞって中国経済に投資しながら、一方では中国の軍事力強化を非難しているという矛盾が滑稽に見えて仕方ありません。もちろん残念な方にです。 なので、今後、米国の脆弱部分の補完役として日本が利用されることもあるんだろうなぁ、とも思っておりますし、そういう覚悟も必要なのでしょう。併せてその対策も考えておく必要があるのかもしれません。 まだまだ、平和呆けの人が多い中、願わくば、会話が期待できない相手とは、集団的自衛権の行使をすることなく、経済制裁などの制裁カードにより、平和的に問題解決する方法にもエネルギーを注いで貰いたいものだと思っております。(2014/06/24)

中国の覇権主義・膨張主義・侵略の前には集団的自衛権を含めて対抗するのがベストと考えますが、集団的自衛権は手段であり目的・意思の議論が不十分。 人権・地球環境・法と秩序・民主主義を守る平和国家としての日本の進む道をしっかり示し世界に信頼できる平和国家としての地位を確立することが重要。その意味で積極的平和主義は議論のスタートラインとしてよい。この議論を深める中で戦後レジューム(米国の属国、Noと言えない日本)からの脱却もできる。この議論が反対派も含め薄く、枝葉末節の議論に終始している状況は非常に残念。米国の為に戦争をしたがっている人と中・韓の為に日米同盟を無効化したい人の議論にしか見えない。合わせて日米地位協定、国連の敵国条項等の不平等条約を改定するよう努力すべき。グレンデールの慰安婦像等歴史認識も浅く、プロパガンダに弱く、自分の利益に強欲な米国はいつ裏切るか判りません。 テロを選ばざる得ない側の人の視点に立てば中国もロシアも米国も同類でちょっとだけ米国が大義にこじつけるのがうまいだけ。日米同盟だけでは危険です。(2014/06/24)

集団的自衛権で得をするのは米国のみ。一方的に損をするのは日本のみ。これだけは間違いない。で、何が日本にとって変わるかと言うと米国に対する日本の防衛には何も変化は無い。集団的自衛権を行使しようがしまいが無関係だ。尖閣などの島嶼部は日本の担当で日米安保内であっても米軍の管轄外だ。何かあっても何もしない。では何が大きな違いになるかと言うと米国の戦争の手助け、助太刀、或いは代理戦争に出向く事だ。そこには日本の意志は実質的に介在できない。米国の言いなりだ。全くもって馬鹿げている。防衛予算も将来は2,3倍に増えるだろう。そうしなければ日本の防衛以外に派兵する余力を出せないからだ。人員も不足する。現時点では補充は容易だがそれは直ちに死を考える必要が無い自衛隊だからであり、派遣されたら死を覚悟する場所に投入されかねない状況に陥れば状況は変わる。死人も多く出る、そうなった場合に自衛隊志願者は急激に減るだろう。誰だって積極的に死地に赴きたくはない。それと海外に派兵するとなったら国内ではまず相手国や敵対組織からのテロの脅威だ。米国の代わりに叩きやすい日本を目標にするのは十分考えられる。日本に対するテロ攻撃だけで間接的に米国を苦しめることは可能だからだ。日本はトバッチリを受けるだけ。全く美しい国とは血塗られた国の事だと思い知らされる事になるだろう。安倍は喜びそうだが。(2014/06/24)

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