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「人口1億人」の実現に不可欠なこと

改めて考える人口問題(4)

2014年6月25日(水)

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 経済財政諮問会議は「選択する未来委員会」を立ち上げて、長期的な経済社会の在り方を検討してきたが、本年5月にその中間とりまとめが発表された。その内容についてはいろいろ議論はあるだろうが、第一線の専門家が集まってその意見を集約しただけあって、興味深い問題がたくさん含まれていることは間違いない。また、この報告に添付されている参考図表も、考えさせられるものがたくさんあって勉強になる。私は、「日本経済論」の授業で、この2つの資料を使って、これからの日本の経済社会の長期的な行方を考える3コマの授業を行ったほどだ。

 さてこの中間とりまとめで注目されたのが「人口規模を1億人に維持することを目指す」という目標が提案されたことだ。今回はこの人口1億人目標について考えてみたい。

人口1億人目標の意義

 最初に、今回の中間とりまとめの位置づけを整理しておこう。中間とりまとめを行った「選択する未来委員会」は、経済財政諮問会議の下に設けられた民間有識者からなる委員会である。したがって、その提言がそのまま政府の方針となるわけではない。経済財政諮問会議では、この提言を受けて、6月中にもいわゆる「骨太方針(正式には経済財政運営と改革の基本方針2014)」を決定する。その骨太方針は、通常はそのまま閣議決定され、その段階で政府としての正式の決定となる。本年の骨太方針は、本稿執筆時点ではまだ未決定だが、素案は公表されているのでおおよその見当はつく。

 さて、人口1億人目標を具体的に見よう。今回の報告では「国民の希望どおりに子どもを産み育てることができる環境をつくることによって、人口が50年後においても1億人程度の規模を有し、将来的に安定した人口構造を保持する国であり続けることを目指していく」と述べられている。

 この人口1億人目標が大いに注目されたのは、これまで日本では、出生率や人口規模についての具体的な目標が存在しなかったからだ。その意味で、1億人という目標を明示することは画期的なことだ。

 なお、同報告では、人口規模と出生率の関係について、次のように述べている。「仮に、2030年までに合計特殊出生率が人口置換水準(人口を一定に保つことができる出生率)である2.07まで急速に回復し、それ以降同水準を維持したとしても、50年後には人口は1億600万人まで減少し、人口減少が収まるまでには今から約80年の期間を要することになる」、つまり、「1億人程度の人口規模を維持する」という目標を掲げることは、「2030年までに出生率を2.07まで引き上げる」という目標を掲げたのと同じことである。

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「「人口1億人」の実現に不可欠なこと」の著者

小峰 隆夫

小峰 隆夫(こみね・たかお)

法政大学大学院政策創造研究科教授

日本経済研究センター理事・研究顧問。1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。2003年から同大学に移り、08年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師