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直接投資はコスト低減だけでは増えない

2014年6月26日(木)

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 前回、新興国経済の成長と日本の成熟化を背景に、日本はモノの輸出で稼ぐ力は低下しているが、グローバル需要を取り込む方法は多面的になっていることを紹介しました。その証左として、(1)日本企業の海外現地法人の売上高は着実に伸びていること、(2)海外からの所得の受取増加を背景に、所得収支が黒字を維持していること、(3)サービス収支が赤字ながらも縮小傾向にあることの3つを挙げました。

 例えば4月の国際収支統計によると、「旅行収支」は44年ぶりに黒字となり、黒字幅は177億円と過去最大を記録しました。その背景には、4月の訪日外国人旅行者数が123万1500人と、前年同月比33.4%増加したことがあります。外国人旅行者の増加は、日本の「稼ぐ力」がモノの輸出に限らず、日本国内においてさえ、グローバル需要の取り込みが可能であるということを示す典型例と言えるでしょう。

 「多面的な取り組み」の一つとして、世界的にみて非常に低い海外からの投資――対内直接投資――の喚起も課題です。国際貿易投資研究所の統計によれば、日本の順位は、先進国で16位(IMF定義の先進国36カ国中)、金額では米国の5.2%、ドイツの28.7%と、非常に低位にとどまっており、この統計をみる限り、「鎖国状態」といっても過言ではありません。

【対内直接投資残高 上位25位】
注:2012年の順位、資料:(財)国際貿易投資研究所「国際統計比較」より三菱総合研究所作成

東京五輪は「売り込み」の好機

 なぜ対内直接投資が他の先進国と比較して非常に小さいのでしょうか。その背景を探るため、外資系企業を対象とするアンケート調査をみると、日本で「事業展開する上での阻害要因」として「ビジネスコストの高さ」を挙げる企業が8割にのぼります。つまり、アンケート結果を見る限り、人件費や税負担の重さが、海外の投資家や企業が日本でのビジネス展開をためらうボトルネックとなっている様子が窺われます。

 しかし、コストを下げれば、それだけで海外からの投資が増えるかと言えば――、この点については、後段、法人税についての議論でも再度触れますが――そう簡単ではないと思います。外資系企業や海外の投資家の目線に立って、日本における事業展開の魅力度を高めることなしに、単にコストを下げれば投資が増えると期待するのは少々楽観的過ぎるでしょう。

「武田洋子の「成長への道標」」のバックナンバー

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「直接投資はコスト低減だけでは増えない」の著者

武田 洋子

武田 洋子(たけだ・ようこ)

三菱総合研究所チーフエコノミスト

日本銀行を経て、2009年4月より三菱総合研究所政策・経済研究センター主任研究員(シニアエコノミスト)、2012年4月より主席研究員(チーフエコノミスト)。内外経済分析を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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