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中国に“No”と言えない世界

2014年6月26日(木)

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 「サルコジ大統領が人権問題を持ち出して中国を批判するようであれば、中国側は“経済・投資協定を白紙に戻す”と脅してきた」

 2010年10月末、当時の国家主席・胡錦濤の訪仏を前に慌ただしくしていた駐中国フランス大使館の書記官が北京で筆者にこう語った。

 2008年以来、チベット問題などを巡って中仏関係は悪化していた。北京五輪大会の直前、北京など複数の都市にある仏スーパー、カルフールの周辺で、反仏デモが盛り上がった光景を筆者は今でも鮮明に覚えている。

 「こういうデモは対日本だけじゃないんだな。中華人民共和国と国交を結んだ最初の西側諸国であるフランス(1964年1月)に対してもナショナリズムをむき出しにするのか」。

人権よりも経済を優先

 2010年11月、胡錦濤国家主席(当時)はフランスを訪問し、ニコラ・サルコジ大統領(当時)と会談した。中仏両国は、エネルギーや航空などを含む複数の分野で200億ドル以上の経済・投資協力協定を締結した。

 前出の書記官によれば、中仏関係が好転する転機となったのは同年4月1日、両国政府が共同コミュニケを発表し、その中でフランス側が「いかなる形式による“チベット独立”も支持しない」「“一つの中国”、“チベットは中国の領土であること”を堅持する」ことを公式に表明したからだったと言う。同じ日、ロンドンで開催されたG20会議のなかで、胡錦濤・サルコジ会談が実現している。

 筆者が「フランスは西側諸国の中でも人権問題を重視する国の一つですよね。そんな貴国ですら中国に人権問題の改善を要求できないとは…」と迫ると、同書記官は「我が国としても苦しかった。事前にほぼ決まっていた経済協定を白紙に戻されるとなると経済的に大きな打撃を受ける。人権問題で譲歩せざるを得なかった」とうなだれた。

 世界はリーマン・ショック後の国際経済秩序をどう再構築するかという難題に直面していた。約4兆元に及ぶ大規模な財政出動を含む大胆な刺激策を実施した中国政府は、「西側諸国は深刻な制度・システム的問題を露呈した。中国は責任ある態度で危機の克服に務めた」という主旨のプロパガンダを展開していた。

 加えて、体制面における中国の優位性を強調し始めた。“チャイナモデル”や“国家資本主義”が広範に議論され始めたのはこの頃である。中国の外交政策は、以前にも増して強硬になり、“核心的利益”――(1)国家主権と領土保全、(2)国家の基本制度と安全の維持、(3)経済社会の持続的で安定した発展――を主張するようになっていった。

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「中国に“No”と言えない世界」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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