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「いいね!」が作る危ない上下関係

「承認欲求」よりも「貢献感」を意識する

2014年7月1日(火)

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 承認欲求は誰にでもあると一般には考えられています。アドラーはこの「承認欲求」について、存在こそ認めますが、そこに依拠することの危うさを述べています。なぜなら、承認欲求に由来する問題というのが、世の中にはたいへん多いのです。承認欲求のどこに問題があるのか、どうすればこの欲求から自由になれるかを考えてみましょう。

 子どもが結婚する時、大抵の親は反対します。たとえ強くは反対しなくても、最初から手放しで子どもの結婚を祝福する親は少ないように見えます。自分の好きな人と結婚して親を悲しませたり怒らせたりするか、あるいは、自分が好きな人と結婚することを諦めて親を悲しませたり怒らせたりしないという2つの選択肢しかないといっていいくらいです。

 好きな人と結婚し、かつ、親が怒ったり悲しんだりしないということはありえないのだと思っておけば、親の反対は容易に予想できることです。よって、台風が過ぎ去るのを待つように、親の混乱状態が収まるのを待てばいい。子どもが結婚する時に親がどんな感情を持つにせよ、その感情は親自身が自分で何とかするしかありません。子どもに解決させる、つまり、親が望む人とのみ付き合ったり、結婚させたりすることは不可能なのです。

「承認欲求」とはすなわち「他者の意志」を優先すること

 自分の人生なのですから、自分の好きな人と結婚できないとか、親が勧める結婚をするというような選択肢はありえないと私は思うのですが、親を悲しませないために好きな人との結婚を諦める人もいます。そのような人は、結婚は2人のためだけのものではないので、親が自分の結婚を承認してくれなければ、自分が好きな人と結婚しても意味がないと考えるのです。

 承認欲求の問題の一つは、ここにあります。自分のことなのに、他者から承認されたい人は、自分の意志ではなく、他者の意志を優先してしまうのです。

コメント4件コメント/レビュー

人間は社会的動物だから、この「認められたい」というのは根源的なものではないかと思います。だからそこからなかなか脱却できない。でも言われる通り、認められたいが最終的な動機では、認められない不満が内向すればウツに、外向すれば「誰でもよかった切り付け事件」なんてなりかねません。思うに人の成長って、愛されること100%から、愛する(貢献する)こと100%に変わっていくことではないかと思っています。いわゆる無償の愛。そうすると大切なのは無償でもかまわない愛する相手、事柄、貢献する対象を見つけることではないかと。それができれば幸せな人生でしょう。(2014/07/02)

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「「いいね!」が作る危ない上下関係」の著者

岸見 一郎

岸見 一郎(きしみ・いちろう)

哲学者/日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問

1956年、京都生まれ。現在、京都聖カタリナ高校看護専攻科、明治東洋医学院専門学校教員養成科、鍼灸学科、柔整学科非常勤講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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人間は社会的動物だから、この「認められたい」というのは根源的なものではないかと思います。だからそこからなかなか脱却できない。でも言われる通り、認められたいが最終的な動機では、認められない不満が内向すればウツに、外向すれば「誰でもよかった切り付け事件」なんてなりかねません。思うに人の成長って、愛されること100%から、愛する(貢献する)こと100%に変わっていくことではないかと思っています。いわゆる無償の愛。そうすると大切なのは無償でもかまわない愛する相手、事柄、貢献する対象を見つけることではないかと。それができれば幸せな人生でしょう。(2014/07/02)

>承認、すなわち、ほめることは、能力のある人が、能力のない人に下す評価。よって、縦の対人関係において初めて可能になるものです。例えば、上司に理不尽な叱られ方をした時に、それを見ていた同僚から「よく我慢したね、偉かったね」といわれたら、はたして嬉しいでしょうか。この例は確かにうれしくないが、そもそも「承認=ほめる」という論理に疑問を感じます。「承認=認める」ではないのでしょうか?>承認されたいという人は、自分には能力がないということを認めていることになりますし自分の「能力」「成果」(極端に言うと優れている点)を認められたいという思いが承認欲求なのではないのでしょうか?他社とのつながりに重きを置きすぎないのは大切です。バランスが重要。「貢献」に目を向けるべきという点も共感します。でも「貢献」を「承認」されたいという思いもまた自然なものでは?(2014/07/01)

ビジネスの場面に応用させると、「会社のため」「上司のため」「お客様のため」がまず最初にあると、最終的には自分自身が承認欲求の呪縛に陥るかもしれない。会社内に蔓延しつつあるストレスやうつ病などはこのあたりに原因のひとつがあるんじゃないだろうか。(2014/07/01)

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