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ナタルの地に唐草は舞った

2014年6月25日(水)

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 ヤマザキさんのスーツケースは人間より一日遅れで無事ロンドンからサンパウロ空港に到着していた。何度もロストバゲッジになるのは、おそらく世界各国を旅してきてあらゆるタグのバーコードシールが表面を覆っているため、読み取りミスが発生しているせいではないか、と思い、シールを剥がすことを進言した。

 シールは剥がされ我々はナタルへ飛んだ。
 ナタルは何もかもが作りかけだった。

 W杯に乗じて旧空港よりも市街地から遠い場所に建設された新空港は、恐ろしく近代的で、周りの何もなさと比べると悪い冗談みたいだった。

 アメリカやヨーロッパからのリゾート客をあてこんで国際便を増やす方向で作られたカウンターには無数のモニターが並んでいた。しかし、実際にはまだポルトガルからの特別便くらいしか就航していないので、モニターにはモニターのメーカーである韓国企業のロゴが点滅していた。まるでSF映画のセットのようだ。

 WiFiもフリーであり、WEBやSNSにはめちゃくちゃに早いスピードでつながる(ただしなぜかメールは送れない)。

 だが、ちょっと裏っ側に回ると、まだ色んな所が工事中であり、この分ではたぶん全部が完成するのはW杯終了後のようにも思えた。

 空港を出るとその作りかけ感はますます本格的になっていった。
 道の両脇に並ぶ椰子の苗木は、ほとんどが傘がおちょこになったような状態で植えられていた。きっと毎日、定時になると海岸のパラソルを開くようにあれを開く係官がいるに違いない。

 そして、ナタルは暑かった。

 国内有数のリゾートタウンだから当然といえば当然なのだが、秋の東京くらいの気候のサンパウロからやってくると、こちらの日中は夏の九州を思わせる蒸し暑さ。レシフェとナタルで試合を行う日本代表がサンパウロ郊外のイトゥにキャンプ地を決めたのは、はたして正解だったのか、とちょっと心配になる。

 そしてこの尋常でない寒暖差に加え、ホテルの冷房などがまたデフオルトで17度とかに設定されており、これが我々の体調をも狂わすことになる。

 空港から市街地までは、ハイテク空港とは対称的にロバや荷馬車が行き交う農村地帯を通って行く。のどかな田園風景だ。

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「ナタルの地に唐草は舞った」の著者

とり・みき

とり・みき(とりみき)

マンガ家

熊本県出身。ギャグマンガをメインにしながら、エッセイコミックやストーリー物も手がける。94年『DAI-HONYA』98年『SF大将』で星雲賞、95年『遠くへいきたい』で文春漫画賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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