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安倍成長戦略と地方消滅論が見落としているもの

2014年6月27日(金)

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安倍晋三首相は、骨太の方針や新成長戦略で日本復活をうたった。だが一方で、増田寛也・元総務相は「2040年には、全国の半分の自治体が消滅の危機に瀕する」という衝撃の推計を発表した。しかし、両者が描く対極の日本の姿にはまだ見落としているものがある。地方の危機は思わぬところで既に本格的に始まっていた。

安倍晋三首相(左)が日本復活をうたう一方で、増田寛也・元総務相(右)は自治体消滅の未来像を示した(写真左:的野弘路、同右:都築雅人)

 「経済の好循環を力強く回転させ、景気回復の実感を全国津々浦々に届けるのがアベノミクスの使命だ」

 安倍晋三首相が、骨太の方針(「経済財政運営と改革の基本方針」)と、新たな成長戦略(「日本再興戦略」)の発表で高らかにこううたいあげたのが今月24日。安倍首相は、法人税を2015年度から数年で20%台に下げ、企業統治(コーポレートガバナンス)を変えて日本の「稼ぐ力」を取り戻すと宣言した。

 女性や外国人の積極活用も打ち出し、同時に人口減の続く日本を50年後も1億人程度の安定構造に導き、「担い手」を生み出すとした。そして、雇用と医療、農業の「岩盤規制」にもドリルを当てて、日本と日本経済を再生していくとした。

 「稼ぐ力」と「担い手」を積み上げるのは当然のことだし、「岩盤規制」の改革が重要課題であることは言うまでもないから、ひとまず期待は高まる。

 だが、ふと思い出してみれば約1カ月余り前には、衝撃の推計が世の中を驚かせていた。「2040年には全国の自治体の49.8%に当たる896の市区町村が消滅の危機に直面する」。政策提言組織、日本創成会議の人口減少問題検討分科会(座長・増田寛也元総務相)が発表した推計である。

相続人の“いない”土地が倍増

 増田氏らは、国立社会保障・人口問題研究所が昨年3月に公表した将来推計人口を基に、子供を産む中心年代の20~30代女性の数を試算し、さらに彼女たちの大都市への移動が続くとして推計した。

 人口問題研究所の推計では、若い女性が2040年に2010年の半分以下になる自治体は、全体の20.7%(373)だったが、増田氏らはこれからの高齢者の減少に目をつけた。「大都市は今後、医療や介護に携わる人材が大幅な不足すると見込まれる。一方、地方はむしろ高齢者が減少していき、医療・介護関係の職を失う人が増える」。高齢化が深刻な地方は将来、むしろ高齢者が減り、それに伴って女性の多い介護などの仕事が減って人口流出が続くというわけだ。

 当然のことだが、若い女性の減少が続けば、人口の維持は難しくなり、自治体の存続はもちろん、社会保障や公共交通、学校まで地域の基盤が崩壊しかねない。

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「安倍成長戦略と地方消滅論が見落としているもの」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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