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発想の転換で食のスタイルは変えられる

「食の弱者」を救うのが私の仕事

2014年7月16日(水)

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 「利他の精神」から、40代からは菊乃井だけでなく“村田個人”の仕事も受けるようになりました。食に関するプロデュースもその一環です。

 1998年に、東京でアークヒルズの回転寿司店をプロデュースしました。「ここで飲食をやりたいけど、何をしたらいいか」とアークヒルズの開発業者から依頼があって受けた仕事です。寿司はもともとファストフードから始まりましたから、回転はしていてもいい。でも、「ただ安いだけ」だけでなく、楽しんでもらえる店にしたいと考えました。

 店のコンセプトは「女性一人で入れる店」を意識しました。大理石で前面ガラス張り。寿司は、まがいものでなく上等な素材を出すようにしました。1皿マグロ2貫で400円。巷の回転寿司より値段は少々高いけど、「ちゃんとしたものをちゃんと出せば」いけると踏んだのです。

村田吉弘(むらた・よしひろ)
京都・祇園の老舗料亭「菊乃井」3代目。1993年、菊の井代表取締役に就任。現在、NPO法人日本料理アカデミー理事長。自身のライフワークとして、「日本料理を正しく世界に発信する」「公利のために料理を作る」(写真:菊池一郎)

 当時、アークヒルズの回転寿司店はずいぶん話題になり、ここから高級回転寿司が世に広まったのではないかと思っています。今では“高級”という言い方はしなくなりましたけどね。

 なぜ“高級”な回転寿司を思い付いたのか。それは以前に、回転寿司で考えさせられたことがあったからです。当時、幼稚園に行っていた娘に「誕生日にどこでも連れていってやる。どこがいい」と聞くと、「回っている寿司屋へ行きたい。プリンもメロンも回ってるんだって。友だちが行って良かったと言ってた」

 「いやあ、お父さん、そこは行けへんな」と言うと、「子供に、嘘ついたらあかん」と家内が言うので、サングラスに帽子をかぶって行くことなりました。

 店に入ってみると、客はにこりともせず流れてくる回転寿司に向かって黙々と食べている。鳥小屋の鳥みたいです。「これはおかしい。根本的に間違っている」と直感的に感じましたね。支払いでは、家内に財布を渡してこそこそと退散したのですが、なぜ、こそこそしなければならなかったのか。

 それは、休みの日に家族連れで行くには少々恥ずかしいと思うからでしょう。中に知り合いでもいたらたまらない。それなら、堂々と行っても恥ずかしくない回転寿司店を作ろうという発想で取り組んだのです。

 アークヒルズの店は、その後十数年して閉店してしまいましたが、新しい発想によって業界に風穴は空けられたと思います。

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「発想の転換で食のスタイルは変えられる」の著者

村田 吉弘

村田 吉弘(むらた・よしひろ)

「菊乃井」三代目

京都・祇園の老舗料亭「菊乃井」三代目。1993年、菊の井代表取締役に就任。現在、NPO法人日本料理アカデミー理事長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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