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成長戦略、ヒヤヒヤものの舞台裏

改革深堀りのカギは政府組織の再整備

2014年7月2日(水)

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法人税改革や企業統治強化などを掲げ、市場の期待をつないだ新しい成長戦略。議論の過程で政府会議の連携不足など改革の司令塔不在の弊害も鮮明になった。戦略の実行と改革の深堀りには乱立気味の会議や事務局機能の再整備が欠かせない。

 アベノミクスの先行きを占う政府の新しい成長戦略が決まった。昨年の成長戦略は踏み込み不足と受け取られ、市場の失望を買った。

 その反省を踏まえ、法人減税やコーポレートガバナンス(企業統治)の強化など市場や海外投資家が重視するテーマを柱に据えた。日本経済の持続的成長に欠かせない企業やヒトの生産性向上を後押しする姿勢を鮮明にしたのが大きな特徴だ。

柱は投資家目線の政策

 企業が浮いたお金を抱え込むのではなく、投資や配当、賃金に回すように企業統治指針の策定などを通じて経営者の意識改革を促す。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など公的資金も運用改革で成長資金の供給を増やすと同時に、企業に収益力向上を求める声を強めるという。

 デフレ脱却への道筋は見えてきたが、今度は企業の競争力や人手不足といった成長の壁が浮き彫りになってきた。そこで、女性の活躍や働き方の改革、外国人材の活用などを掲げ、岩盤と呼ばれた雇用や農業、医療の各分野にも一定の風穴を開けて生産性向上に注力する。人口減少に直面する地域の活力を維持するため地域の経済構造改革を後押しする――。成長戦略に込められたストーリーはこんなところだ。

 これまでのところ、経済界や投資家の反応はおおむね好評だ。労働市場改革や農協制度などの具体的な制度設計はこれから。掛け声倒れに終わる懸念はなお残るが、「集団的自衛権論議で公明党を説き伏せたように、首相官邸の強さは盤石。霞が関や自民党が抵抗しても、市場を失望させる形にはさせないはずだ」と安倍晋三首相に近い自民議員は楽観視する。

 矢継ぎ早なタマ出しを催促する市場や投資家向けの手だても用意している。GPIFの運用方法や統治の改革と、今年1月にスタートした少額投資非課税制度(NISA)の拡充がそれだ。財務省幹部は「移り気な市場の期待を維持するには次々に手を打っていく必要がある。この2つは秋の目玉にするつもりだ」と明かす。

 株価や景気を下支えし、年末に判断時期を迎える消費税率の再引き上げ(8%→10%)決定への環境を整えることが狙いなのは言うまでもない。

 鬼門の成長戦略で前向きな評価を得て、安堵感が漂う安倍政権。だが、政府内での議論の過程を一皮めくれば、綱渡りの展開だったというのが実情だ。

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「成長戦略、ヒヤヒヤものの舞台裏」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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