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第4回 ジョブズが後継に選んだ男、ティム・クックは何者か?

故郷、アラバマ州ロバーツデールを訪ねる

2014年7月9日(水)

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稀代のビジョナリー、スティーブ・ジョブズが自らの後継者に選んだのは、現アップルCEOのティム・クックだ。世界中が注目するアップルのトップでありながら、ティム・クックの素顔はほとんど知られていない。それは、クックがあまり人付き合いをせず、ストイックなまでに経営に打ち込んでいるからでもある。そのクックについて、本連載の著者である岩谷氏は著書『沈みゆく帝国』で詳しく解説。「在庫のアッティラ王」と呼ばれるほど在庫回転率を上げたり、部品メーカーなどを締め上げたりする手腕について生々しく記している。岩谷氏はクックの素顔を知るべく、故郷にも取材に訪れた。

 2011年8月、スティーブ・ジョブズの後任としてアップルCEOになったすぐあと、ティム・クックは、近しい人間にこう漏らしている。「朝起きたとき『ジョブズならどうしたかと考えず、ただ、正しいことをするんだ』と自分に言い聞かせているんだ」。

 だが、その2カ月後、膵臓がんでジョブズが亡くなると、彼の亡霊がいたるところに現れる。どの新聞もどのウェブサイトも、ビジョナリーであるアップル創業者の訃報をトップに掲げた。テレビは、世界に対する彼の貢献を褒めたたえる番組を流しつづけた。

 ジョブズと違い、後任のCEOには宗教的ともいえる支配力がない。ティム・クックCEOが何かを決めると、一つひとつ、現在および過去の社員と役員にチェックされるし、投資家、ジャーナリスト、消費者にもチェックされる。ジョブズが作りあげたアップルに対するすさまじく高い期待にも、応えなければならない。

クックがどんな人なのか、誰も知らない

 IBMの幹部だったクックは、経験豊富なビジネスマンであり、マネジャーとしてはジョブズより上だと言われている。理路整然、準備万端といった言葉で表現される人物であり、アップルクラスの大企業の課題を現実的に見られる人物でもある。だが、ジョブズであることにかけて、ジョブズを超えられる者はいない。

 クックとはどういう人物なのか知られていなかったことが、経営権の継承をややこしくしたのも事実だ。仲間のなかには、彼を黒子だと評する声もある。クックとつきあいを深めようとする人もいたが、ほとんど成功していない。アップルキャンパスにもジムはあるが、クックは別のジムで運動をしているし、仕事以外で人付き合いをすることがない。なにか誘われると、断りはしないが承諾もしない。「それはいいね」とあたりさわりのない言葉を返すだけなのだ。

 何年か前、動画編集のソフトウェア、iMovieを出荷しようとしたとき、ジョブズの指示でアップル経営陣がみずからホームムービーを作ってみたことがある。ジョブズのホームムービーは子どもたちがテーマで、ハードウェア担当のジョン・ルビンシュタインは誕生日に出席しなければならなかった会議をおちょくるものだった。クックの作品は家探しについてで、1990年代末のパロアルトで家がいかに高かったかを示すものだった。とてもおもしろく仕上がってはいたが、彼個人についてはなにもわからないものであった。誰に尋ねても、クックは親しい友だちがいない、人付き合いがよくない、私生活についてほとんど語らないとしか返ってこない。

 『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』を書くにあたり、私は、クックの生い立ちを詳しく知りたいと思った。だから、アラバマ州行きの飛行機に乗り、彼のふるさとであるロバーツデールを訪ねることにした。

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「第4回 ジョブズが後継に選んだ男、ティム・クックは何者か?」の著者

岩谷ゆかり

岩谷ゆかり(けいん・いわたに・ゆかり)

ジャーナリスト

東京生まれ。ジョージタウン大学外交学部卒業。2006年にウォール・ストリート・ジャーナルへ転職し、東京特派員を経てサンフランシスコでアップル担当として活躍。ジョブズの肝臓移植など数々のスクープで有名。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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