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景気回復の重石になる原油価格

2014年7月16日(水)

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 日本の石油会社が産油国から輸入する原油価格が上昇している。6月分の長期既契約の価格によると、サウジアラビア産の代表油種で前月比2%上昇しており、半年ぶりの高値となっている。

 原油価格が上昇すれば、企業の投入コストが上昇する一方で、その一部が産出価格に転嫁される。このため、変動費の増分が売上高の増分に対して大きいほど、利益に対する悪影響が大きくなる傾向がある。最近では2007年から2008年にかけて原油価格が高騰した。その際、レギュラーガソリンの価格は全国平均で1リットル当たり180円を超えた。また、公共交通機関の利用が増えた一方で、燃油サーチャージの高騰で海外旅行客が減り、自家用車を利用した外出も激減した。

 最も象徴的な影響としては、2008年に景気後退の引き金を引いたことである。企業では投入コストの上昇を通じて企業収益が大きく圧迫され、価格上昇が最終製品やサービスまで転嫁された。このため、家計にとっても消費者物価の上昇を通じて実質購買力の低下がもたらされ、売上面からも企業収益に悪影響が及んだ。そして、個人消費や設備投資の悪化を通じて2008年3月からの景気後退局面入りを認めざるを得なくなったという経緯がある。2008年と言えば、サブプライムローン問題をきっかけにマネーが先進国の金融商品から商品市況にシフトし、特にWTI先物価格は1バレル147ドルにまで上昇した。

 以上の事実を勘案すれば、仮にイラクなどの地政学的リスクの高まりによる供給不安が原油価格を押し上げれば、日本経済に悪影響が及ぶことは否定できない。

資料1 原油価格の推移
(出所)トムソン・ロイター

家計の負担増は月1788円に達する

 円建ての原油先物価格を見ると、今年1~7月までの平均価格は1バレル1万795円に達し、昨年平均から4.8%上昇している。一方、2008年には急騰の後の急落により年平均で1バレル9649円にとどまったが、前年比で見れば19.8%も上昇したことになる。

資料2 円建て原油先物価格
(出所)トムソン・ロイター

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「景気回復の重石になる原油価格」の著者

永濱 利廣

永濱 利廣(ながはま・としひろ)

第一生命経済研究所主席エコノミスト

日本経済研究センター、東京大学大学院経済研究科修士課程等を経て、2008年4月から第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト。経済統計、マクロ経済の実証分析を専門とし、内外経済の長期予測を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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