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2人とも勝利宣言したインドネシア大統領選挙

ジョコウィ勝利も、このままでは終わらない

2014年7月14日(月)

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 7月9日に投開票が実施されたインドネシアの大統領選挙で、ジャカルタ特別州知事のジョコ・ウィドド氏(通称・ジョコウィ)が勝利を宣言した。と思ったら、何とライバルのプラボウォ・スビアント氏も勝利を宣言。択一の選挙で、2人の候補者がそれぞれ勝利宣言するという珍事が起きている。

 もちろん、開票の結果、二者の得票が寸分狂わず一致していたなどという話ではない。まだ選挙委員会の開票作業は終わっておらず、出口調査など各報道機関や調査会社の速報値をもとに、それぞれが「勝利」を宣言したのだ。どうやら、それぞれの得票数はかなり近かったようだ。多くの調査結果で、ジョコウィ氏が52%前後、プラボウォ氏が48%前後の票を集めたとしている。

 プラボウォ氏の得票が上回ったという調査結果もあるが、そのほとんどがプラボウォ氏陣営の報道機関、調査機関によるものであり、信頼性が高いとは言えない。インドネシアの投票調査は精度が高く、過去の実績を見ても国政選挙で当落予測を外したことはほとんどない。開票作業が済めば、おそらく晴れてジョコウィ氏の得票が上回っていたことが明らかになるだろう。10月20日に新大統領として就任することになる。

 この「接戦」が物語るのは、インドネシアに復活しつつある、スハルト的なものへの“逆コース”の風潮だ。

レフォルマシ路線か、独裁への逆行か

 政治は二項対立で割り切れるほど単純なものではないが、あえて整理を試みれば、実業家出身のジョコウィ氏は、スハルト独裁政権崩壊後にこの国に民主主義を根付かせようという「レフォルマシ(改革)」路線に連なる民権主義的な傾向の強い政治家と言える。一方の軍出身のプラボウォ氏は、国権主義的な傾向が強く、開発独裁を敷いたスハルト主義の流れをくむ政治家と言っていいだろう。

 この選挙戦は、2人の政治家の争いであると同時に、インドネシア政界の2つの底流のせめぎ合いでもあったのだ。

 独立戦争を戦った英雄・スカルノ氏と、インドネシアの成長期に長きにわたって政権を担ったスハルト氏。「軍」の力を背景に、権力を集中させて国土開発によって成長を牽引する。この開発独裁体制によって、両政権下でインドネシア経済は旺盛に成長した。

 だが同時に、その強さは代償を伴った。成長を牽引した強力なリーダーシップ、つまり「独裁」は、民権を制限し、権力の集中によって腐敗を招いた。

 この独裁の代償に対する反省から、インドネシアは、短期間で大統領が交代し続ける混乱期を経て、独裁を防ぐために大統領権限を大幅に制限した民主主義的な政治システムを確立させた。スシロ・バンバン・ユドヨノ現大統領の最大の功績は「任期を全うしたこと」。混乱を経て確立された政治システムにより、5年2期、合計10年間という任期を安定的に全うした最初の大統領がユドヨノ氏だった。

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「2人とも勝利宣言したインドネシア大統領選挙」の著者

池田 信太朗

池田 信太朗(いけだ・しんたろう)

日経ビジネスオンライン編集長

2000年に日経BP入社。2006年から『日経ビジネス』記者として、主に流通業界の取材に当たる。2012年『日経ビジネスDigital』のサービスを立ち上げて初代編集長、2012年9月から香港支局特派員、2015年1月から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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