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“女同士”の難しさをどう解決するか

相手の「目的」に「共感」するから関係はこじれる

2014年7月22日(火)

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 女友達、会社での女性上司と女性部下、母娘関係など、女同士の関係は男女や男同士の関係よりもはるかに根深く、嫉妬がいがみ合いにつながり、いがみ合いが嫌悪になり、一度糸が絡まるとなかなかほどくことの難しい問題であるように見えます。

 どうすればこのような関係を風通しのよいものにすることができるか考えてみましょう。

 アドラーは、「なぜ」という問いは心理学者でも答えるのは難しい、といっています(『子どもの教育』)。親が子どもに「<なぜ>こんなことをしたの?」とたずねても、「なぜ」という問いによってどんな答えが期待されているかを子どもは理解できないでしょうし、おそらくは、そのように問う親もわかっていないでしょう。

 アドラーが「なぜ」と問う時、行動の「原因」ではなく「目的」を答えとして期待しているのですが、女性同士であれば、行動の目的が手に取るようにわかることが多い。そのため、行動の隠された意図が見えることが、女性同士の対人関係にいがみ合いや嫉妬心を生むように見えます。例えば、非常に愛想のよい女性が、他の女性から見ると「あの人はいつも誰かに取り入ろうとしてこびを売っている」といった解釈になってしまうわけです。

“女の涙”は相手を従属させる

 例えば、ここぞという時に泣く人がいます。アドラーは、「水の力」という言葉を使います(『人生の意味の心理学』)。ここでいわれる「水」は当然「涙」のことです。泣く人は、自分の涙は自然発生的で、悲しいことや辛いことがあったので涙が出たというでしょう。しかし、アドラーは、厳しくも「涙を流すことは他者を従属させるための極度に効果的な武器である」といっています。

 上司に叱られて泣く人は、失敗したけれど、あるいは、期待されていた成果は上げられなかったけれど、こんなに頑張ったのだからもう責めないでと言外にいっているのです。

 仕事ではないプライベートな場面で、付き合っている女性の非を責めようと思ったまさにその時に泣かれて困惑した経験をしたことがある男性も多いのではないでしょうか。

 この人は放っておけないと思わせる女性は、世の中に少なからずいます。そんな人が涙を流すのは、本来、自分でやりとげなければならない課題を他者に肩代わりしてもらいたいからです。

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「“女同士”の難しさをどう解決するか」の著者

岸見 一郎

岸見 一郎(きしみ・いちろう)

哲学者/日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問

1956年、京都生まれ。現在、京都聖カタリナ高校看護専攻科、明治東洋医学院専門学校教員養成科、鍼灸学科、柔整学科非常勤講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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