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中南米歴訪で“非米の国際規範”作りを始めた習近平

"両洋鉄路"はパナマ海峡の無力化が狙い

2014年7月24日(木)

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 ベネズエラを訪問中の習近平国家主席は7月21日 、昨年3月に逝去 したウゴ・チャベス第53代大統領の陵墓を訪れた。中国とベネズエラの国旗を振る市民たちが沿道を埋め尽くした。以前はベネズエラの軍事基地だったこの陵墓は首都・カラカス市の山丘にある。1992年、チャベス前大統領はここで革命を指揮した。

 「チャベス氏は魅力的なリーダーだった。中国人民の偉大なる友人であり、私にとっても良き友人であった。彼は中国の文化を愛し、中国共産党の歴史や執政理念に深い理解を示していた。中国=ベネズエラ関係の発展に卓越した貢献をした」

 習近平国家主席は、過去に2度対面したことがあるというチャベス前大統領との思い出を振り返り、哀悼の意を表した。

 ベネズエラを後にした習近平国家主席は今回の中南米訪問(7月15~23日:ブラジル、アルゼンチン、ベネズエラ、キューバ)における最後の目的地であるキューバの首都・ハバナへと飛んだ。国家副主席時代に訪れて以来、約3年ぶりのキューバ訪問である。前回と同様に、革命指導者であったフィデル・カストロ前国家評議会議長 の元を訪れている。

 今回は、習近平国家主席にとって就任以来8回目の外遊である。中南米への訪問は2回目だ。前任者である胡錦濤・前国家主席が就任後1年8カ月経ってから初めて同地域を訪問したことを考えると、習近平国家主席の中南米重視は顕著だ。

 中国共産党のある外交担当者は筆者にこう述べる。「習主席には“中南米はアメリカ合衆国の裏庭”という認識が強いようだ。左翼的、反米的に傾きやすい中南米のリーダーたちと個人的な信頼関係を作ろうという意識が見られる」。

 本連載でもたびたび言及してきたように、習近平国家主席の言動には米国、あるいは米国主導で構築されてきた国際秩序・ルールへの“対抗心”が随所でにじみ出ている。中国が位置するアジア地域だけでなく、開発独裁的にインフラ建設を敢行しているアフリカ大陸や、地域全体として“反米”に傾きやすいアラブ中東や中南米地域との関係を強化して、“勢力範囲”を拡大しようとしている。言い換えれば、“お友達づくり”に外交資本を投入しているように見える。

ブラジル、ペルーと目指す“両洋鉄路”

 習近平国家主席の“外への野心”の背景には、政治・外交面の要素だけでなく、国内の過剰な生産能力と約4兆ドルに及ぶ外貨準備高という経済要素も存在する。インフラ建設に従事する国有企業の仕事が縮小傾向にあるなかで、そのミッションを内から外へ向ける。同時に、使い道が疑問視されてきた外貨を戦略的に投入していくのだろう。

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「中南米歴訪で“非米の国際規範”作りを始めた習近平」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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