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ロボット義足は世界に何をもたらすか

足を失った障害者に行動の自由を

2014年7月24日(木)

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 僕が義足の世界に興味を持つようになったのは2004年、慶応義塾大学大学院の博士課程に在籍していた時のことです。

 それまでは、大学、大学院と二足歩行のヒューマノイドロボットを研究していました。

 小さい頃からラジコンやプラモデルづくりが大好きだった僕は、ものづくりにかかわりたいと慶應義塾大学理工学部に入学。2000年に発表されたホンダの「ASIMO」などを見て「かっこいい」とあこがれを持ち、未来に夢を持てる技術とヒューマノイドロボットを専門分野に選びました。

 そこから、なぜ義足の世界に転じたのか。きっかけは親しい友人が骨肉腫を発症したことでした。

 僕は中学、高校とバスケットボール部に所属し、大学でもチームを作ってバスケットに熱中していました。骨肉腫になったのは高校時代の後輩。チームに呼んで一緒に練習をしたり試合をしたりしていた仲間でした。

 彼はある時期から、しきりに「膝が痛い」と訴えていました。バスケットのような激しいスポーツをすると膝を痛めることは珍しくなく、僕はあまり深く考えていなかった。それを今でも後悔しています。検査をしてみたら、彼は骨肉腫に侵されていたのです。

 彼は手術をして膝の関節を取り、金属製の人工関節を入れました。人工関節を使えば、痛みはほぼなくなり、関節以外の部分は自分の骨や皮膚を使うので、外から見える姿形は元のままです。

 一方で、問題もあります。人工関節の耐用年数は15年ほど。15年たつ前に再度手術をして付け替えなくてはならないことがあります。金属製ですから、激しく転ぶとけがをするリスクもあります。僕の後輩の場合は人工関節になってから杖を持ってゆっくりとしか歩くことができなくなり、足首に少し障害が残りました。

両足義足のMITヒュー・ハー教授との出会い

 彼のように足に障害を抱える人の役に立つ研究がしたい。それまで研究してきたヒューマノイドロボットが、未来への大きな技術革新につながることは確信していましたが、それ以上に目の前の友人を自分の技術で何とかしたい。僕はこう強く思うようになりました。

 そんな時、たまたま出席した学会で、米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボのヒュー・ハー教授の存在を知ります。

 ハー教授は10代前半から米国で指折りのロッククライマーとして名を馳せた存在でした。ところが17歳の時、ロッククライミングの最中に重度の凍傷にかかり、両足とも膝下を切断することになってしまいます。

 ハー教授はあきらめず、両足に義足を装着して山に登り続けます。さらには、より良い義足を開発しようと自身で義足の設計を始め、MITでロボット義足の研究をするようになりました。

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「ロボット義足は世界に何をもたらすか」の著者

遠藤 謙

遠藤 謙(えんどう・けん)

ソニーCSL研究員

MITメディアラボにて博士取得。現在、ソニーコンピュータサイエンス研究所研究員。ロボット技術を用いた身体能力の拡張に関する研究や途上国向けの義肢開発に携わる。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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