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先端技術に進化した測量技術

災害対応や危機管理に不可欠な空間情報工学

2014年8月1日(金)

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 地球は大地震の「前」にも、人が体に感じない異常な動きをしている。

 誰もが知っているように、大地震とその後では地球が変動する。水平方向にも上下方向にも大きく動く。大地震の前にもわずかながら動きがあり、それを前兆として測量技術で予測可能なことは、あまり知られていない。

 本コラムの目的は、「動く地球の測量の延長上に地震予測がある」ことを伝えることである。私は本来、地震予測の専門家ではなく測量工学の専門家だ。それでも、専門の壁を越え、少しでも地震予測の手助けになれば本望だ。

 さて、動いている地球の上では、動いている地球は測れない。動いている新幹線のなかでは、新幹線の速度や移動距離を測れないのと同じだ。そこで、地球の外を周回している測位衛星の登場となる。測位衛星は、後述するように一般的にGNSSと呼ばれ、GPS(全地球測位システム)はそのうちの1つにはいる。

 この動く測位衛星によって、地球上に固定された「電子基準点」と呼ばれる受信機で、正確な三次元座標を測量することができる。現在の測量技術は、こうした動く地球を測量する高度な先端技術に支えられている。

 この「電子基準点」のデータを用いて、13年前に地震前後の地球の動きを測量することを発想したのは、荒木春視工学博士だった。私は、そこから荒木博士に誘われ、現在まで「動く地球の測量」の研究を続け、その成果として地震予測を行っている。

 それが、地震科学探査機構(JESEA)で行っている登録会員向けのメールマガジン「MEGA地震予測」の提供だ。昨年の2013年2月に開始し、私はJESEAの顧問として活動している。

 いくつかのメディアに登場することになったが、今年の1月から7月末までに起きた震度5以上の地震は、ほぼ予測できた。そこで、ここに至るまでの経緯やそのメカニズムを、測量工学の立場から解説してみたい。「電子基準点」を使った地震予測は、新しく有効なアプローチとして確立されつつあることが広く理解されれば、これまた本望だ。

* * * * * * *

測量から空間情報工学へ

 測量は、「測天量地」から生まれた言葉だ。

 「天を測り、地を量る」とは、北極星を観測して地図の基本となる北方向を定め、租税の基礎となる土地の測量をしたことを指す。「測量」という言葉から抱くイメージは、おそらく街角で三脚から測量機械を覗きこんでいる測量マンの姿だろう。

 ところが、この40年間に測量技術はどの産業界と比べても、突出した技術革新を遂げた。1972年に米国が打ち上げたランドサット1号は、最初の地球観測衛星となった。ここから、リモートセンシング(遠くから手に触れないで電磁波を感知する技術)と呼ばれる新しい学問領域が次々に登場した。

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「先端技術に進化した測量技術」の著者

村井 俊治

村井 俊治(むらい・しゅんじ)

東京大学名誉教授

公益社団法人日本測量協会会長、地震科学探査機構顧問。1963年東京大学工学部土木工学科卒業、1983年東京大学生産技術研究所教授、2000年東京大学定年後、東京大学名誉教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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