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“周永康落馬”は中国をどこへ導くか?

3つの軸で読み解く

2014年8月7日(木)

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 7月29日の夕方、筆者は北京大学付近の喫茶店にいた。知人が来るのを待っていると、突如、携帯電話の画面に衝撃的なニュースが飛び込んできた。

 「中国共産党中央は、周永康の重大な規律違反に際し、中央規律検査委員会によって立件・審査することを決定した」

 周永康氏とは、胡錦濤政権において政治局常務委員(序列9位)を務めた大物政治家である。高級官僚を多数輩出することで有名な江蘇省は無錫市の出身。大学で石油を専攻し、その後、石油畑を歩んできた。石油工業部(日本の省長に相当)副部長、中国石油天然気集団公司(CNPC)総経理を務めた。その他、国土資源部部長(閣僚級)、四川省党委書記、公安部長(閣僚級)などの重役を歴任している。

 石油閥、公安閥、四川閥…

 周永康氏はこの3つの派閥を掌握し、強固で広範なネットワークを築いてきた。政治局常務委員を務めている時、「9人の常務委員のなかで実際に影響力を持ち、物事を動かす権力基盤を持っているのは胡錦濤、温家宝、周永康の3人だけだ」(共産党関係者)とまで言われた。2012年上半期に“落馬”した薄煕来・元重慶市党委書記の“後ろ盾”でもあった。

 習近平氏が胡錦濤氏に代わって総書記に就任して以降、周永康氏が築いてきたネットワークに関わった共産党関係者、特に上記3分野における高級官僚が次々と“落馬”し始めた。郭永祥・四川省前副省長と冀文林・海南省前副省長は、周永康氏の元秘書。李春城・四川省前党委副書記、蒋潔敏・国有資産管理監督委員会前主任(閣僚級)兼CNPC前総経理、李東生公安部前副部長などは周永康氏の元部下だ。

 周永康氏の勢力範囲・権力基盤は根こそぎにされていった。世間では「残るは周永康本人」という空気が充満していた。筆者はボストンと北京から周永康氏を巡る政治情勢を観察していた。中南海政治に精通したチャイナウォッチャーたちの間では、今年3月に開催された全人代の直後から、「立件・審査」を公開するという見方が有力であったように思われる。

 筆者の知る限り、公開するか否かを巡って、共産党関係者の間でも意見は割れていた。
「必ず公開する。ここまであからさまに周永康の側近たちを叩いておいて、本人を叩かないのでは筋が通らない。国民も納得しないだろう」(公安関係者)
「公開しないだろう。周永康の権力は実質的に奪われている。もう十分だ。本人を吊るし上げることは共産党全体への影響がでかすぎる。党内で、より激烈な権力闘争が展開されるのは必至だ。政治の安定も脅かされるかもしれない」(太子党関係者)

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「“周永康落馬”は中国をどこへ導くか?」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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