• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「すき家」を誰も嗤えない

デフレの寵児が陥った日本経済の落とし穴

2014年8月6日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 7月29日は土用の丑の日だった。土用丑にはウナギを食べると決めて約20年。それをずっと守ってきたが、今年に限って取材が立て込んでランチの時間が取れなかった。ついに連続記録も途絶えるかと残念に思いながら、東京・秋葉原で取材を終えてトボトボと帰る道すがら、ふいに「美味しいウナギはいかがですか~」というアニメ調の女性の声が耳に飛び込んできた。

 振り向くと、メイド服を着た若い女性と目が合った。そして、彼女の頭上にあったのは「すき家」の看板。吸い込まれるように入った店舗で食べた799円(税込み)の「うな丼並盛」は、ことのほか美味しく感じられた。

過酷で違法性の強い労働実態が明らかに

 その2日後の7月31日のことだ。すき家を傘下に持つゼンショーホールディングスは第三者委員会が調査報告書を提出したことを受けて、都内ホテルで会見を開いた。過重労働の実態が明らかになった同社は、外部の専門家に改善提言を求めていた。

ゼンショーホールディングスの小川賢太郎会長

 着席し、配布された49ページに及ぶ調査報告書を一読し、まず充実した調査に感銘を受けた。内容は概ね想定通りだったが、口から出てきたのは「それにしてもひどい」という言葉だ。

 「400~500時間に上る月間労働時間」。「36協定違反で労働基準監督署から複数件の是正勧告」。「売上高が目標に達していない場合、労働していても休憩時間を取得したとして処理するよう指示された」。こうした数々の事例が克明に記されていた。

 想定していたと述べたのは、日経ビジネス5月19日号の特集「さらば使い捨て経営」において、今春にすき家で発生した大量閉店問題の実態をリポートしているからだ。一部は本サイトでも紹介しているので、お読みいただいた方も多いと思う。(参照記事:「すき家『鍋の乱』で大量閉店の真相」)。

 7月31日に1035円だった株価は8月5日時点で993円と、4%も下がっている。調査報告書という形で違法性の高い労働実態が改めて白日の下にさらされた結果、またも同社はマスコミからネットまで袋叩き状態となっている。

 こうした状況を考えれば、ゼンショーの労働問題の詳細を本記事で改めてあげつらうことに、さほど意味はないと思う。ゼンショーは自社サイトで第三者委員会の調査報告書を公開している。職業柄多くの第三者委員会報告書を見てきたが、その中でも特筆すべき内容だ。記事の最後にリンクを張っておくので、興味のある方は後ほどお読みいただければと思う。

コメント49

「記者の眼」のバックナンバー

一覧

「「すき家」を誰も嗤えない」の著者

広岡 延隆

広岡 延隆(ひろおか・のぶたか)

日経ビジネス記者

日経コンピュータ編集部、日本経済新聞産業部出向を経て2010年4月から日経ビジネス編集部。現在は自動車など製造業を担当している。これまでIT、電機、音楽・ゲーム、自動車、製薬産業などを取材してきた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リストラなどつらい経験もありましたが、多くの山に登ったことで、別の景色が見えやすくなりました。

吉田 秀俊 VAIO社長