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戦争画は現代の日本人に何を語るか

東京国立近代美術館のコレクション展示が「熱い」

2014年8月8日(金)

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「所蔵作品展『MOMAT コレクション』」を開催している東京国立近代美術館

 壮絶な戦いの末に玉砕する旧日本軍の勇姿を表した大作絵画。地方都市の上空で米爆撃機B29が煙を噴いて墜落する風景が不思議と美しい一枚。戦時中の日本軍パイロットの帽子をかぶった好青年が表紙に描かれた漫画の単行本シリーズ……。

 「所蔵作品展『MOMAT コレクション』」と題された東京国立近代美術館の常設展示が、今とても熱い。「熱い」などという言葉には、とうに旬を過ぎた流行語のようなイメージを持つ方もいるだろう。そもそも、たとえば海外から作品を借りるなどして宣伝も派手にするような大型企画展に比べて、美術館の収蔵品で構成する常設展示は地味な印象になりがちだった。だからこそ、そんな常識をくつがえすようなエネルギーを感じさせる展示内容の作り込みに、「熱い」という言葉をあえて使ったのだ。

藤田嗣治や中村研一の「戦争画」を展示

 戦場の玉砕風景を描いた作品は藤田嗣治(レオナール・フジタ)の「アッツ島玉砕」、B29の墜落は中村研一の「北九州上空野辺軍曹機の体当りB29二機を撃墜す」、そして単行本が展示された漫画はちばてつやの「紫電改のタカ」。どれも、第二次大戦に題材を取った作品である。

 藤田や中村の作品は、しばしば「戦争画」と呼ばれる。終戦後接収した米国から「無期限貸与」という形で同館が借り受けているものだ。「戦争記録画」「作戦記録画」ということもあるが、「記録」したものばかりではないので、ここでは「戦争画」という言葉を使っておく。

 この2作に限らず、戦争画には毅然とした軍人たちを描くなど、士気を高め、戦いを称揚する内容のものが多い。それゆえ、画家の遺族には封印しておきたいという感情が働くこともある。美術館での公開や画集への掲載が進むようになったのは、近年のことだ。

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「戦争画は現代の日本人に何を語るか」の著者

小川 敦生

小川 敦生(おがわ・あつお)

多摩美術大学美術学部芸術学科教授

日経マグロウヒル社(現・日経BP社)入社後、日経アート編集長や同社編集委員を経て、日本経済新聞社文化部へ。美術担当記者として多くの記事を執筆。2012年4月から現職。専門は美術ジャーナリズム論。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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