• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

日本発の義足が生まれることの意義

義足こそ世界屈指の「ものづくり力」を生かせる

2014年8月7日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 僕は米マサチューセッツ工科大学(MIT)に7年間在籍し、博士課程を修了した後、日本に帰国し、現在、ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)で義足の研究を続けています。

 博士課程を修了した時点で帰国せず、米国にとどまって研究を続けることもできました。ヒュー・ハー教授の研究室に研究員として残り研究を続けたり、義足をつくっている企業に就職したりという道です。いくつかの企業から、お誘いもいただいていました。

 結果的に、それらの道を進むのをやめ、帰国した理由の一つは、米国で研究を続けるうちに、「日本発のものづくり」に向き合いたいと思い始めたからです。

 僕は、米国で義足の研究をしている間、「日本製の義足」を1度も見たことがありませんでした。1度も見たことがないって、ちょっと考えられない。科学技術立国を標榜する日本が、義足の分野ではまだ世界を席巻することができていない。そもそも同じ土俵にさえ立っていない。日本発の義足を世界に広げるチャンスが、目の前に無限に広がっているように感じたのです。

 加えて、僕は「ロボット義足」、「競技用義足」、「途上国向け義足」の研究をそれぞれ続けたいと思っていましたが、米国には3つとも同時に研究できる環境がありませんでした。僕はどれもあきらめることなく挑戦したかった。

 そんな時、大学生の頃から知り合いで、MIT受験で推薦状も書いてくれていたソニーCSLの北野宏明社長から「今、何をやっているんだ」「日本に来た時にソニーCSLでプレゼンしてみないか」というメールが届きました。

 北野さんの誘いに応じ、一時帰国した際に、ソニーCSLの社員の前で40分程度のジョブトークを行い、これまでどんな研究をしてきたか、将来何をやりたいかといったことを話しました。これが後に公開面談のような形となって採用が決まり、3つの義足の実現を目指す今の環境を得ることができたのです。

技術力の闘いの場としてのパラリンピック

カーボンファイバーできれいなカーブを成形する競技用義足

 義足には、日本のものづくりの力を発揮できる場面があります。例えば、競技用義足のカーボンファイバーの複合材の成形。

 競技用義足はバネの力を発揮するために複雑なカーブを描いた形になっています。このカーブを生み出すため、型をつくってプリプレグとよばれるカーボンファイバー素材のシートを1枚1枚重ね、押しつけていきます。その後、オートクレーブという窯で熱を与えることで義足の形を作り上げます。この工程は手作業になるため、手先が器用で細やかに仕事をする日本人に向いていると思います。

コメント0

「義足というウェアラブル」のバックナンバー

一覧

「日本発の義足が生まれることの意義」の著者

遠藤 謙

遠藤 謙(えんどう・けん)

ソニーCSL研究員

MITメディアラボにて博士取得。現在、ソニーコンピュータサイエンス研究所研究員。ロボット技術を用いた身体能力の拡張に関する研究や途上国向けの義肢開発に携わる。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

人々が働きたいという会社になるには 「働きやすさ」と「働きがい」、この2つが必要だ。

川野 幸夫 ヤオコー会長