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モネが愛した日本とは?

継ぎ足したカンバスが妻の美しさを引き立てた

2014年8月12日(火)

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クロード・モネ「ラ・ジャポネーズ(着物をまとうカミーユ・モネ)」(1876年、ボストン美術館蔵、1951 Purchase Fund 56.147)展示風景=「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展」報道内覧会にて主催者の許可を得て撮影

 扇、うちわ、打掛、ござ、武者絵、美人画…。これらのモチーフがぎっしりと描かれたクロード・モネ(1840~1926年)の「ラ・ジャポネーズ」(1876年)は、画家がいかに日本の文化に好奇心を抱いていたかを物語る一枚。近年の修復を経て鮮やかな色を蘇らせ、東京・砧公園の世田谷美術館で開催中の「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展」(9月15日まで)で展示されている。

プロジェクションマッピングのような武者の表現

 等身大で描かれたモデルは画家の妻、カミーユ。右手に扇を持ち、壁や床にはたくさんのうちわを散らしている。その中で、カミーユの顔のすぐ右側にある浮世絵風の「美人」が描かれたうちわはもともとカミーユの左下にあったことが、修復の際の調査で分かったという。美人がカミーユを見つめるような配置に描き直され、絶妙なバランスの画面構成を実現している。調査は、モネの構図への執着を浮き彫りにしたのだ。

 カミーユに体をねじったポーズを取らせることで、身にまとった打掛の裾が扇のような広がりを見せているのも、モネならではの演出だろう。打掛の柄については、近年の研究で謡曲「紅葉狩」を題材に取ったという説が浮上しているという。立体感を際立たせた打掛に絡みつくように描かれた武者は、平安時代の武将、平惟茂(たいらのこれもち)。カミーユがまとった打掛の丸みの上で、今にも刀を抜いて暴れ回りそうに感じられるほど生き生きとしたその表現は、建物の壁などをスクリーン代わりに動画を映す現代のプロジェクションマッピングのようでさえある。立体感の表現には、西洋の画家としての力量が表れている。

刀を今にも抜いて暴れだしそうな武者のモチーフ=クロード・モネ「ラ・ジャポネーズ」(部分) © Photograph©2014 Museum of Fine Arts, Boston.

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「モネが愛した日本とは?」の著者

小川 敦生

小川 敦生(おがわ・あつお)

多摩美術大学美術学部芸術学科教授

日経マグロウヒル社(現・日経BP社)入社後、日経アート編集長や同社編集委員を経て、日本経済新聞社文化部へ。美術担当記者として多くの記事を執筆。2012年4月から現職。専門は美術ジャーナリズム論。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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